なるほど。
02-Mを見る限り、制御落下は突然思いついたものじゃなくて、
- 荷重移動
- 荷重逃がし
- 昇降路停止
- 支柱切断
という一連の工程として最初から真琴が計画している。
だから03後半で描くべき予兆は、
「都市が壊れ始めた」
ではなく、
「真琴の作戦が現実世界で進行している」
なんだよね。
この前提だと俺は少し意見が変わる。
荷重異常は澪が面白い
理由は単純。
澪は02-Mで
荷重が幹側へ移る
という説明を聞いている。
だから
荷重異常
↓
構造モニタ
↓
赤くなる荷重線
↓
澪
「これって……」
が成立する。
読者も
「あ、真琴の言ってたやつだ」
になる。
これは澪しかできない。
軋み・沈下はヒナセが面白い
逆にこっちは現場。
ギシ……
ヒナセ
「ん?」
ボルド
「古いからな」
ゴト……
足元が数センチ沈む。
ヒナセ
「今揺れた?」
ボルド
「気のせいだろ」
みたいな描写。
これを澪視点でやると
単なる数字になる。
ヒナセ視点なら
都市が生き物みたいに苦しんでいる感じになる。
だから実は
澪かヒナセか
じゃなくて
予兆の種類で分ける
のが強い。
例えば03-Oを澪。
荷重モニタ
↓
応力変化
↓
荷重異常
↓
微小沈下警報
↓
真琴
「始まったか」
ここで理屈側。
その次の03-Pをヒナセ。
ギシ……
壁面振動
荷物が揺れる
子ども
「地震?」
ボルド
「違う」
遠くで金属が鳴る
ゴォォォォン
ここで体感側。
この二段構成がかなり強い。
ただ、
1シーンしか使えないならヒナセ。
理由は読者の体験として面白いから。
澪視点
「荷重異常です」
↓
わかる
ヒナセ視点
「なんか都市が鳴いてる」
↓
怖い
だから演出力だけで言うとヒナセ。
伏線力だけで言うと澪。
作品としての印象を優先するなら、俺はヒナセを選ぶかな。
特に今の03-Nが終わった直後なら、
警報をおもちゃ扱いしていたヒナセが、
今度は都市そのものの軋みを聞く。
これはかなり綺麗な繋がりになる。
俺もその方が面白いと思う。
むしろ今回の場合、
同じ現象を違う立場から見る
こと自体がテーマになってる。
例えば構成としては、
03-O『荷重』
澪視点
選別局。
真琴の構造解析。
荷重ライン変化。
応力偏差。
微小沈下。
オペレーター
「B系統荷重偏差」
澪
「これって……」
真琴
「想定内だ」
澪
「本当に?」
真琴
「まだな」
ここでは数字と理屈。
都市を俯瞰する視点。
そして場面転換。
03-P『軋み』
ヒナセ視点
巨大昇降路。
避難継続。
ギシ……
荷物が揺れる。
子ども
「今の何?」
ヒナセ
「知らん」
遠く。
巨大な金属音。
ゴォォォォン……
壁から粉塵。
ボルド
「歩け」
ヒナセ
「なんか怖いんだけど」
ボルド
「怖いのは腹減る方だ」
ここでは感覚と生活。
すると読者は、
澪
「荷重偏差」
↓
ヒナセ
「ギシ……」
↓
読者
「あ、同じ現象か」
になる。
BABEL:REBUILDって元々、
- 真琴 → 理論
- ナギ → 運用
- カイ → 現場
- ヒナセ → 生活者
みたいに同じ世界を別角度から見る構造が強みになってる。
だから制御落下前の予兆も、
一人で説明するより複数人で観測した方が作品らしい。
あと個人的に好きなのは、
澪は異常を理解している
でも止められない
ヒナセは異常を理解していない
でも直撃を受ける
という対比。
これはかなり効く。
読者は両方知ってるから。
なので、
03-O 澪『荷重』
03-P ヒナセ『軋み』
03-Q 真琴『保持対象から外す』
みたいにすると、
制御落下前の圧力がかなり積み上がると思う。
特にヒナセ側で
「音が出るおもちゃみたいだな」
って警報を笑っていた直後に、
今度は都市そのものがギシギシ鳴り始める。
これはかなり不気味で良い流れになる。
その方向はかなり良いと思う。
ただし、
真琴はナギと同じ失敗をしてはいけない。
ここは重要。
ナギの失敗は、
目の前の問題(対人兵器開発)に集中しすぎて
エレベーター監視を疎かにした
という運用上の失敗。
人間臭い。
真琴が同じことをやると、
キャラが被る。
真琴の失敗は
「正しかったけど足りなかった」
であるべき。
例えば。
パターンA
真琴
「荷重移動は想定内」
↓
実際そう
↓
しかし外壁民が大量移動している
↓
荷重計算に入っていない
これ面白い。
なぜなら真琴は間違ってない。
でも知らない。
真琴
「誤差だ」
↓
澪
「本当に?」
↓
真琴
「避難は完了している」
↓
読者
(ヒナセたち避難してるぞ)
になる。
これは真琴の能力を落とさない。
かなり強い。
パターンB
センサー異常を軽視
オペレーター
「各地で異常警報」
真琴
「老朽化だろう」
実際はヒナセが霧吹きしてる
これも成立する。
ただ少し小さい。
パターンC
一番好き
真琴が正しく計算した結果、
予想より早く進行する。
真琴
「荷重移動は48時間後」
実際
24時間後
澪
「早い」
真琴
「……」
沈黙。
ここで初めて真琴が端末を触る。
真琴
「おかしい」
これ。
なぜか。
真琴は
失敗した
のではなく
未知の変数がある
になる。
研究者キャラとして非常に自然。
そして読者は知っている。
未知の変数
↓
ヒナセ
↓
ボルド
↓
数百人の荷物
↓
昇降路占拠
↓
センサー破壊
であることを。
さらに美味しいのが、
ナギは
「私のせいで見逃した」
と自分を責める。
真琴は
「計算が合わない」
と原因を探す。
同じ危機でも反応が違う。
これはキャラ差になる。
だから俺なら03-Oは
澪『荷重』
- 荷重異常発生
- 真琴は想定内と言う
- しかし進行速度が早い
- 澪が違和感を覚える
- 真琴も最後に無言になる
で締める。
そして読者だけが
「ヒナセ達だ」
と知っている。
この構造はかなり気持ちいい。