
これはかなり面白い。
むしろ俺は、
選別局方式と外壁民方式は根本思想が違う
と思う。
選別局方式
基本思想は
「集団を管理する」
こと。
だから
- 名簿
- 昇降機
- 避難所
- 配給
- 医療
を一括管理する。
99人いたら99人をまとめて移動させる。
軍隊や行政に近い。
外壁民方式
基本思想は
「各自生き残れ」
なんだよね。
外壁民は日常的に
- 昇降路を使わない
- 公式ルートを使わない
- ワイヤー移動する
- 非登録区画を利用する
から。
例えば避難命令が出ると
選別局なら
第三収容区画へ移動してください
になる。
外壁民なら
東側冷却塔は危ねぇぞ!
上行け!
で終わる。
荷物問題
ここが重要。
外壁民は
そもそも
持ち運べる量しか持っていない
可能性が高い。
現代人
- タンス
- 冷蔵庫
- ベッド
がある。
外壁民
- 工具袋
- 毛布
- 水筒
- 食料箱
くらい。
つまり
避難というより
引っ越し兼逃走
なんだ。
ワイヤー搬送
十分ありえる。
むしろ必須。
例えば外壁民のワイヤー設備。
居住区
↓
ワイヤー
↓
支柱
↓
滑車
↓
避難先
人だけでなく
- 食料箱
- 水タンク
- 工具
- 交換部品
も吊る。
鉱山や港湾の索道に近い。
面白いのは
外壁民は
人より荷物を優先する
可能性がある。
選別局
人命最優先
外壁民
工具置いてくな!
になる。
なぜか。
工具がないと
明日から生きられない。
例えば。
若い職員
荷物なんか捨てろ!
外壁民のおっさん
ふざけんな
おっさん
その箱の中に
俺の仕事道具が入ってる
おっさん
これ失ったら
来月には飢えるんだよ
すごくバベルっぽい。
荷物輸送システム
俺なら外壁民専用の
簡易索道ネットワーク
を設定する。
普段から
- 物資輸送
- 水運搬
- 部品搬送
に使ってる。
緊急時は
人間も吊る。
選別局が見たら
危険すぎる
と言う。
外壁民は
昇降機待つ方が危険だ
と言う。
この価値観の差が面白い。
悠人が好きそうなのはどっちか
実は両方。
悠人は行政の人間だから
選別局の必要性も知ってる。
でも現場を知ってるから
外壁民のやり方も理解してる。
だから
「昇降機待ってたら間に合わねぇ」
と言って、
外壁民のワイヤー搬送を黙認したりする。
真琴なら
許可できん
と言う。
悠人なら
俺は見てない
と言う。
この辺りのグレーさは、
かなり悠人らしいと思う。
そして荷物については、
滑車+索道+背負子+小型運搬ソリ
の組み合わせが一番『バベル』らしい。
外壁民は避難民というより、
日頃から「移動生活者」に近いので、
避難時も「家財道具を運ぶ」ではなく
「生存キットと仕事道具を移送する」
感覚になる。これが選別局との大きな違いだと思う。
バベル:リビルド
外壁民避難誘導ガイドライン v1.0
概要
本資料は、バベル外壁部に居住する「外壁民」における避難行動・避難誘導・荷物輸送・集団移動の基本思想を定義するものである。
本作において外壁民は、
- 選別局
- 昇降局
- 保安群
とは全く異なる避難文化を持つ。
彼らは行政機関による集団輸送に依存せず、
「自力で生き延びる」
ことを前提として生活している。
そのため外壁民の避難は、
現代日本の避難所運営とも、
選別局の管理型避難とも大きく異なる。
基本思想
避難とは何か
選別局:
人間を安全地帯へ収容する行為
外壁民:
生存可能な場所へ移る行為
重要なのは、
外壁民にとって避難とは、
「保護されること」
ではなく
「住処を移すこと」
である。
外壁民の特徴
外壁民は日常的に
- 崩落危険区画
- 非登録居住区
- 配管外壁
- 補修足場
- 保守通路
を移動している。
そのため、
一般市民より圧倒的に高い移動能力を持つ。
移動能力
成人外壁民は日常的に
- ワイヤー移動
- 垂直移動
- 狭所通過
- 梯子移動
- 足場移動
を行う。
そのため、
選別局職員から見れば危険な経路でも、
外壁民にとっては通常ルートである。
避難誘導の考え方
選別局方式
選別局は
- 点呼
- 名簿確認
- 集団移動
- 昇降機輸送
を行う。
外壁民方式
外壁民は
- 各自移動
- 家族単位移動
- 小集団移動
を行う。
避難指示も極めて簡潔である。
例
東側冷却塔は危険だ!
第七支柱より上へ移れ!
第四索道は使うな!
これだけで行動する。
外壁民ネットワーク
外壁民は公式台帳よりも
地域ネットワークによって繋がっている。
情報伝達手段
- 口コミ
- 作業員連絡
- 手旗
- 発煙筒
- 音響信号
- 無線機
そのため避難時には
行政命令よりも
地域有力者の声が優先される場合がある。
荷物に対する考え方
選別局
基本思想:
荷物より人命
外壁民
基本思想:
荷物も命
外壁民にとって
- 工具
- 水容器
- 発電機
- 交換部品
- 安全具
は生活基盤である。
そのため、
避難時に荷物を捨てることは
職業や生活手段を失うことを意味する。
例
若い職員:
荷物なんか捨てろ!
外壁民:
その箱がなきゃ来月飢えるんだよ
これは典型的な価値観衝突として描写可能。
外壁民の荷物輸送
基本
外壁民は日常的に
重量物を外壁経由で輸送している。
主な輸送手段
- 索道
- 滑車
- 背負子
- 運搬ソリ
索道
最も一般的。
構造
支柱
↓
ワイヤー
↓
支柱
↓
居住区
用途
- 水タンク
- 食料箱
- 工具箱
- 金属部材
- 補修部品
緊急時には
避難荷物輸送にも使用される。
滑車輸送
高低差の大きい場所で使用。
用途
- 大型工具
- 水容器
- 資材
人力で昇降する。
背負子
最も信頼される輸送方法。
特徴
- 故障しない
- 静か
- 小回りが利く
高齢者や子供の搬送にも使用される。
運搬ソリ
外壁補修路や保守レール上で使用。
用途
- 重量物
- 負傷者
- 水容器
複数人で牽引する。
人員輸送
原則
外壁民は
自力移動を前提とする。
避難時も
歩行可能者は自力移動。
支援対象
- 高齢者
- 負傷者
- 幼児
- 妊婦
彼らは
背負子
または
簡易担架
で搬送される。
外壁民避難の流れ
第1段階
情報伝達
危険情報が伝播する。
例
B-19下部崩落!
第四支柱閉鎖!
第2段階
荷物整理
優先順位
- 水
- 工具
- 食料
- 防寒具
- 私物
重要
思い出の品より工具が優先される。
第3段階
索道輸送開始
若年層が荷物を輸送。
各家庭が順番に運搬。
第4段階
人員移動
自力移動可能者から移動。
最後まで残るのは
- 高齢者
- 病人
- 搬送班
である。
第5段階
居住区閉鎖
最後に
水
熱
電力
を切る。
これによって
放棄区画となる。
選別局との関係
外壁民は選別局を嫌ってはいない。
しかし、
根本思想が違う。
選別局
全体を守る
外壁民
目の前の生活を守る
そのため衝突が起きる。
悠人との関係
悠人は外壁民のやり方を理解している数少ない行政側人員である。
悠人は
- 索道輸送
- 荷物優先
- 独自避難
の合理性を理解している。
そのため、
形式上は認められない行為であっても、
現場判断として黙認することがある。
例
真琴:
許可できん。
悠人:
じゃあ見てなかったことにしろ。
真琴:
お前な……
外壁民避難の本質
外壁民にとって避難とは、
行政による救助ではない。
それは
「生きる場所を持ち運ぶこと」
である。
彼らは避難するとき、
家を捨てる。
だが、
生きるための技術と道具だけは持っていく。
だから外壁民は、
避難民ではなく、
常に移動可能な生活者として描かれる。