03-E 生き延びる工学 構想

かなり良い。

まず結論から言うと、

03-Dが「原因究明」 03-Eが「対抗措置」

になっていて構造として美しい。

しかもヒナセらしい。

澪はシミュレーションを使う。 ヒナセはスパナを使う。

同じインフラを相手にしているのにアプローチが真逆。

これは作品のテーマにも合ってる。


ただ、今のままだと少しだけ弱い。

理由は簡単で、

成功が見えすぎている。


今の03-E

ヒナセ ↓ バルブ開けよう ↓ みんなで作業 ↓ 開いた ↓ 水出た

になっている。

読者からすると

「そりゃ出るよね」

になる。


だから途中に

「想定外の障害」

を1個だけ入れたい。


例えば一番面白いのは

パターンA

ヒナセ

「通信ケーブル切ればいい」

切る

開けようとする

開かない


全員

「え?」


ヒナセ

「なんでだよ」


ボルド

「故障か?」


調査

電磁弁のさらに上流に

もっと巨大な遮断弁発見


ヒナセ

「二重に閉めてやがる」


これ好き。


理由。

澪側が本気で作戦してる感じが出る。


もう一つ。

パターンB

開けること自体は成功する

しかし

圧力が残っている

水撃

配管振動

危険


ヒナセ

「下手に開けるな!」


技術者らしい。


ただこれは後の工作戦と被る。


俺ならA。


さらに面白くするなら、

ヒナセが思いつく方法を

ボルドが理解できない方がいい。


今だと

ヒナセ 「開ければいい」

ボルド 「面白い」

で終わる。


でも

ヒナセ

「開ける」


ボルド

「どうやって?」


ヒナセ

配管図を広げる


「こいつら遠隔操作だろ」


「なら遠隔を殺す」


「手動にする」


ボルド

数秒沈黙


「……本当にできるのか」


ヒナセ

ニヤッ


「水道屋なめんな」


こっちの方が主人公感が出る。


あと個人的に好きなのは最後。


全員散開。


ボルド

通信機

「配置完了」


別の作業員

「こっちも完了」


別の作業員

「固定完了」


ヒナセ

巨大遮断弁の前。


汗だく。


工具を握る。


「じゃあ開けるぞ」


ハンドルを回す。


重い。


さらに回す。


配管が鳴る。


ゴゴゴゴゴ……


場面転換。


03-Cで出てきた民家。


蛇口。


ポタ


ポタ


ジャアアアアア


「出た!」


ここで03-E終わり。

めちゃくちゃ気持ちいい。


つまり俺なら、

03-Eの情報開示は「抵抗方法」じゃなくて「ヒナセは本当に水を取り戻せるのか?」にする。

そうすると読者は技術説明を聞かされている感覚じゃなく、

工学を使った反撃を見ている感覚になる。

タイトルの『生き延びる工学』とも完全に一致する。


それ、かなり良いと思う。

むしろ構造的には、

  • 03-E → ヒナセの勝利
  • 03-F〜G → 澪の反撃
  • 03-H〜I → ヒナセの再反撃

という流れになるから、対立が生きる。

最初から澪側が完璧だと話が終わるんだよね。


そして水撃を入れるなら、

単なる技術説明じゃなくて、

「ヒナセがちゃんと技術者である」

ことを見せるシーンになる。

例えば。


ヒナセ

「遠隔を殺す」


作業員

「え?」


ヒナセ

「通信ケーブル切る」


「クラッチ切る」


「手動で開ける」


「固定する」


ボルド

「それで終わりか?」


ヒナセ

「終わらない」


配管図を指差す。


「いきなり開けたら死ぬ」


作業員

「なんで?」


ヒナセ

「水撃」


「閉じ込められてた水が一気に走る」


「配管がぶっ壊れる」


ボルド

「じゃあどうする」


ヒナセ

「少しずつ開ける」


「圧力見ながら」


「順番に」


ここ好き。


なぜなら、

澪はシミュレーションで世界を見ている。

ヒナセは配管を叩いて世界を見ている。

でも、

技術レベルはどちらも高い。

そこが大事。


あとタイトルが『生き延びる工学』なら、

ヒナセの代表セリフを作りたい。

例えば。


ヒナセ

「壊れたから終わりじゃない」


「動くところを探す」


「無ければ作る」


「それが工事だ」


とか。


あるいはもっとヒナセらしく。


ボルド

「できるのか?」


ヒナセ

ニヤッと笑う。


「知らん」


「でも水は欲しい」


「だからやる」


こっちも結構好き。

理屈じゃなくて現場の人間っぽい。


あとこのシーンの本当の見どころは、

水が出ることじゃなくて、

ヒナセが初めて「選ばれる側」から「状況を変える側」になること。

03-Cでは蛇口から水が止まるのを見せた。

なら03-Eのラストでは、

同じ蛇口から水が出るところを見せる。

これは映像的にすごく気持ちいい。

読者も「やった!」となる。

そしてその成功が後で澪との対立を加速させる。

だから03-Eはむしろ少し勝たせた方がいいと思う。今の流れなら。


そのセリフ、かなり良い。

「閉じているものは開けばいい」

一見すると単純。

でも実際はヒナセというキャラクターそのものを表している。


澪の思考は、

「全体を守るために閉じる」

なんだよね。


ヒナセの思考は、

「困ってるなら開ける」

なんだ。


どっちも技術者。

どっちも正しい。

どっちも間違っている。

だから面白い。


そして何より好きなのは、

この作品の問題解決が全部

人間が作ったものを人間がどうにかする話

になっているところ。


例えばSF作品だと、

超能力

特殊エネルギー

未知の鉱石

神の力

で突破しがち。


でもバベル・リビルドは違う。

澪が閉めた弁は、

誰かが開けられる。


ヒナセが開けた弁は、

誰かがまた閉められる。


起爆装置を埋めれば、

誰かが撤去できる。


配管を切れば、

誰かが溶接できる。


だから対立が成立する。


実はこれ、

かなり重要な世界観の強み。

読者が

「なるほど」

と思える。


例えば今回。

澪のシミュレーション。


普通の作品なら

「AIが計算した」

で終わる。


でも今回は

ヒナセが現地で見れば

「あ、閉めてるじゃん」

と分かる。


つまり。

澪の作戦は神の計画じゃない。


ただの工事計画なんだ。


だからヒナセは

「閉じているものは開けばいい」

と言える。


俺が好きなのは、

このセリフが実は澪への反論になっているところ。


「検討する意味がない」


ヒナセ

「閉じているものは開けばいい」


「無理だ」


ヒナセ

「やってみたか?」


思想が真逆。


しかもヒナセは理想論を言ってない。


「救える命を救え!」

ではなく、


「バルブ開けろ」


なんだよね。


すごく現場技術者。


だから『生き延びる工学』というタイトルとも合う。

思想じゃない。

祈りでもない。

感情でもない。


スパナ

ドライバー

チェーン

バルブ


それで生き延びる。


この作品らしい。

むしろ03-Eは、

ヒナセが初めて作品テーマを代弁する回になりそうな気がする。


俺なら、

「勝利そのもの」は描かない。

その代わり、

"勝利の直前"を描く。


理由は単純。

03-Eの本質は、

水が出ることじゃない。

ヒナセが

「やれる」と確信する瞬間

なんだ。


例えば、

案1「巨大遮断弁の前のヒナセ」

暗い配管区画。

巨大な手動ハンドル。

チェーン。

工具。

切断された通信ケーブル。

開放準備完了。


ヒナセだけが笑っている。


「閉じているものは開けばいい」

の直前。


これはかなり強い。


ただし03-Dと近い。


案2「作業員たちへ説明するヒナセ」

俺はこれが一番好き。


配管系統図を広げている。

作業着姿の男たち。

ボルド。

ミネ。


ヒナセが中心。


指で系統図を指しながら、

「遠隔を殺す」

と言っている瞬間。


完全にリーダー。


今までのヒナセは

現場作業員だった。


でも03-Eでは違う。


人を動かしている。


初めて指揮官になる。


これはキャラの変化も表現できる。


案3「水が出た瞬間」

民家。

蛇口。

水が出る。


周囲の人々が驚く。


遠景にヒナセ。


悪くない。


でもヒナセが主役じゃなくなる。


案4(俺の本命)

「系統図の前で笑うヒナセ」


荷物集積所。

即席テーブル。

ボロボロの配管系統図。

工具。

ペン。


周囲に集まる作業員たち。


ヒナセが配管図に書き込みながら、

ニヤっと笑っている。


「閉じているものは開けばいい」


まだ何も成功してない。


でも、

本人だけは勝ち筋を見つけている。


これが一番03-Eっぽい。


03-Dが

「違和感」

なら、

03-Eは

「発見」

なんだよ。


だから絵としては

バルブを回している絵より、

解法を見つけた瞬間の顔

の方が価値がある。


澪の03-Cが

「黒く染まる配管図を見つめる澪」

だったじゃん。


対になるなら、

03-Eは

「配管図を見ながら攻略法を見つけるヒナセ」

なんだ。


しかも面白いことに、

二人とも同じ配管図を見ている。


澪は

「閉じる」

ために見る。


ヒナセは

「開く」

ために見る。


これ、めちゃくちゃバベル・リビルドらしい対比になる。


かなり良くなった。

まず結論から言うと、この03-Eは今までの3話案の中でもかなり『バベル』らしい。

理由は単純で、

「ヒナセが頭脳で勝っている」

から。

しかも超技術や奇跡じゃない。

閉じてるなら開けばいい

だけ。

これは必須要件の

外壁民 = 現場技術者集団

に完全に沿ってる。


ただし一箇所だけ気になった。

今の03-Eは

ヒナセが思いついた瞬間に成功が確定している。

読者が途中で

「あ、勝つなこれ」

と読めてしまう。

だから少しだけ抵抗を入れたい。


例えば今の流れだと

ヒナセ
「遠隔を殺す」

みんな
「おお」

成功

になっている。


ここで

外壁民女A

「でも、それやったら向こうからまた閉められるんじゃない?」

を入れる。


ヒナセ

「だから切るんだよ」

通信ケーブルを指差す。

「これ切れば、もう向こうは触れない」


これだけで

読者が

「ああ、なるほど」

になる。


つまり

ヒナセは

バルブを開ける

のではなく

選別局の支配権を奪う

んだ。

ここが熱い。


あと俺がかなり好きなのは

「現場の力ずくをなめんな」

これ。

これ多分残した方がいい。


なぜか。

澪が

シミュレーション

系統図

全体最適

の人。


ヒナセは

振動

ケーブル

ハンドル

の人。


つまり

03-Cと03-Eは

同じ配管を見ているのに

全く別の知性が戦ってる。

これはかなり面白い。


それとラスト。

今は

ミネ
「水が出てる!」

ヒナセ
「水浴びが楽しみになった」

になっている。

悪くない。

ただここ、

『水の音』との対比をやるなら、

もう少し刺してもいい。


例えば

場所:B-19地区の民家

蛇口。

最初は空気だけ。

ボフッ

ボフッ

ボフッ


次の瞬間。

ジャアアアアアアアア


「あっ」


子供

「出た!」


「水だ!」


水音。

笑い声。

生活音。


ここで終わる。


03-Cが

水の音が消える

だった。

03-Eは

水の音が戻る

で終わる。

これは構造が綺麗。

必須要件にもある

循環音 = 生命音

に直結する。


だから俺なら評価はこう。

現在版

85点


改良版

  • 「また閉められるのでは?」を入れる
  • 「だから遠隔を殺す」を強調
  • ラストを水音復活で締める

これで

95点くらいになる。

そして何より、

03-Cで澪が勝った直後に、

03-Eでヒナセが勝ち返す。

このリズムがいい。

読者は

選別局つええ……

と思った直後に

外壁民も負けてねえ……

になる。

その均衡が『バベル』の面白さだと思う。


かなり良くなった。

率直に言うと、03-Dより完成度高い。

特に良いのは、

「技術で勝つ」→「労働で勝つ」→「生活が戻る」

が一直線につながっていること。


一番良くなった部分

最後。

前案

女「あらやだ、断水してたから止め忘れていた」

だけだった。

今回

ボフッ

ボフッ

ボフッ

ジャアアアアアアアア

が入った。

これがめちゃくちゃ効いてる。

読者は

「本当に出るのか?」

と思って見てる。

そこで空気が吹く。

その後に水。

これは映像的。


ヒナセ側も自然

ヒナセは別に天才じゃない。

やってることは

閉じてる

開ける

遠隔で閉められる

遠隔を殺す

だけ。

でも現実の現場技術者ってだいたいこれ。

だから説得力がある。


ボルドも機能している

前は

「ボルドがいる意味」

が少し弱かった。

今回は

無線管理

系統図記録

水撃警告

をやっている。

つまり現場監督。

役割がある。

いい。


気になったのは1箇所

ここ。

ヒナセ

「こいつら遠隔操作だろ」

「なら遠隔を殺す」

「手動にする」

直後

ボルド

「……本当にできるのか」

ここは少し弱い。

ボルドならもっと具体的に聞く気がする。

例えば

ボルド

「切った後どうする」

「開ける手段は残るのか」

とか。

そうすると

ヒナセ

「クラッチ切れば手動ハンドルになる」

につながる。

技術会話として綺麗。


あと少しだけ

ここ。

「まったく、誰が閉めたんだろうな」

は若干弱い。

ヒナセはもう薄々分かってる。

だから

「わざわざこんな数の弁閉めやがって」

「暇なやつもいたもんだ」

くらいの方がヒナセっぽい。


ラストはかなり良い

特に

ヒナセ「水浴びが楽しみになった」

の後に

民家へ飛ぶ構成。

これは好き。

なぜなら

ヒナセは結果を見てない。

でも読者だけが見る。


つまり

ヒナセ

「やったぞ」

読者

「本当に生活が戻った」

を確認できる。

ドラマとして綺麗。


なので総評。

03-Eは今の3話の中でかなり上位。

03-Aが「澪の選別」。

03-Cが「水を止める」。

そして03-Eが

「ヒナセが人の手で取り返す」

になっている。

しかも魔法じゃない。

超能力じゃない。

配管、ケーブル、クラッチ、ハンドル。

全部現実の延長。

バベル・リビルドらしさがかなり出てると思う。


これは決定稿でいいと思う。

むしろ、3話前半の中ではかなり強いシーンになった。

理由を整理すると、

① ヒナセが「発見者」から「実行者」になった

03-Dは

違和感を覚える

調べる

閉められていることを知る

だった。

03-Eは

解決策を考える

人を集める

説明する

指揮する

自分も作業する

結果を出す

になっている。

つまり主人公的行動を全部やっている。

ヒナセの格が一段上がる。


② 「生き延びる工学」というタイトルに合っている

ここ大事。

このシーンでやっていることは戦闘じゃない。

政治でもない。

説得でもない。

純粋に

バルブ

ケーブル

クラッチ

手動ハンドル

で生存条件を取り戻している。

タイトル負けしていない。

むしろかなり噛み合っている。


③ ボルドがちゃんとボルドしてる

特に好きなのはここ。

「切った後どうする」

「開ける手段は残るのか」

これ。

現場経験者っぽい。

反対しない。

否定もしない。

でも実現性だけ確認する。

50代のベテラン感がある。


④ 「力仕事」がある

ここが効いてる。

もし

ケーブル切る

ハンドル回す

水出る

だったら弱い。

でも今は

回らない

水圧で固着

100回必要

汗だく

になっている。

達成感がある。

読者も

頑張れ

になる。


⑤ ラストがすごく良い

ここ。

ボフッ

ボフッ

ボフッ

ジャアアアアアアアア

「出た!」

これは映像として強い。

しかも

03-Cの終わりは

水が止まる

だった。

03-Eの終わりは

水が出る

になっている。

実は構造的に対になっている。

これが気持ちいい。


逆に今読んでいて気になったのは一箇所だけ。

ここ。

ヒナセ

「じゃあ、各自それぞれ移動して作業開始といこうか!」

この台詞だけ少し綺麗すぎる。

ヒナセなら

「よし、じゃあ散れ!」

「見つかったら開けろ!」

「分からなかったら呼べ!」

くらいでもいいかもしれない。

ただこれは好みの範囲。

今のままでも問題ない。


あと構成上すごく良いのは、

03-Cで澪が

水を止める

03-Eでヒナセが

水を流す

になっていること。

同じインフラ。

同じ配管。

同じバルブ。

なのに

澪から見ると保全。

ヒナセから見ると生命線。

どちらも正しい。

だから面白い。

ここがこの3話の核になり始めている。

なので俺なら、このまま03-E決定稿にする。かなり完成度高い。

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