03-K 試作 構想

これはかなり良い方向。

というか、

03-Jで「守ると決めた」03-Kで「対策を作る」

になっていて、ちゃんと物語が前進している。


ただし、脚本的に見ると、

今書いてくれた流れには一つだけ問題がある。

問題

全部うまく行きすぎる


レイカ

「作るか」

試作品成功

大型化

問題発生

改良成功

完成


これだと、

技術開発動画になってしまう。


むしろ面白いのは

レイカが失敗する

こと。


例えば。


ハンドスプレー

成功

ナギ喜ぶ


大型版

発射

ボフッ

ノズル閉塞

沈黙


ナギ

「……」


レイカ

「……」


ナギ

「終わった?」


レイカ

「終わった」


こういう間。


レイカは天才ではなく、

14歳の技術者。


だから

「作れると思った」

「ダメだった」

「もう一回考える」

の方が人間味が出る。


さらに面白いのは

レイカが自分で気付く

こと。


ノズル分解。


レイカ

「混ざるの早すぎる」


ナギ

「つまり?」


レイカ

「作った瞬間に固まる」


ナギ

「欠陥品じゃん」


レイカ

「欠陥品だね」


この掛け合い好きそう。


このシーンの本当の主役

実はウレタンじゃない。


レイカ。


03-Jで

「じゃあ作るか」

と言った。


03-Kでは

「思った通りにいかない」

を経験する。


そこから

「それでも作る」

になる。


これがレイカ回になる。


さらに良い案

途中でセナかカイを通り過ぎさせる。


修理区画。


ドリルクロー整備中。


セナ

「何やってるの?」


ナギ

「秘密」


セナ

「怪しい」


レイカ

「怪しい」


ナギ

「お前も言うな」


これだけ。


すると

後で

セナに人を殴らせたくない

が効いてくる。


ナギは隠している。


読者だけ知っている。


これ結構強い。


あと技術的にも、

「単一ノズルで内部混合して詰まる」 ↓ 「二重ノズルで空中混合」

はかなり納得感ある。

現実の二液混合樹脂でも近い発想がある。

だから世界観的にも違和感ない。


なので俺なら、

シーンのテーマ

「レイカの試作と失敗」

にする。

成功シーンじゃなくて、

一度コケてから立て直すシーン。

その方が03-Lの「補正」にも繋がるし、レイカ自身が生きてくると思う。


うん、それかなり強い。

むしろ今の話を聞いていて、

「レイカがノズルを分解している絵」
が第一候補になった。

理由は単純で、

03-Jのキービジュアルが

ナギとレイカが管制室で話す

だったのに対して、

03-Kは

レイカが問題と格闘する

だから。

ちゃんと役割が違う。


俺なら構図はこんな感じ。

A案(本命)

倉庫の作業台


前景

分解された大型ノズル

工具

配管

硬化して詰まったウレタン


中央

眼鏡のレイカ

小型ライトを咥える

または額のライト


モンキーレンチ

スパナ

手を油で汚しながら分解


後方

ナギ

腕組み

心配そう


背景

修理中のアンカーの足

ドリルクローの装甲

作業員たち


テーマ

「考えるレイカ」


これが一番キャラが立つ。


B案

試作失敗直後


大型ノズル

ボフッ


先端だけウレタン塊


ナギ

「終わった?」


レイカ

無言


ノズルを見ている


完全にコメディ寄り。


これは差分として面白い。


C案

レイカの発見


ノズル断面図HUD


二液が内部で混ざっている


レイカ

「ここか」


ナギ

横から覗く


技術者回感が強い。


ただし一枚絵ならAが一番映える。


あと面白いのは、

このキービジュアル、

ナギが主役じゃない。


03-Jはナギ回。


03-Kは

実質

レイカ回の始まり。


だからレイカを中央に置くのが正解。


そして何より、

今までのレイカは

巨大ディスプレイ

モニター

HUD

シミュレーション

だった。


ここで初めて、

油で手を汚して工具を握るレイカ

が出る。

これは読者の印象に残る。

「この子、理論だけじゃなくて自分で作るんだ」

が一発で伝わる。

なので俺なら、

03-Kのキービジュアルは

作業台の上で、詰まったノズルを工具で分解しているレイカ

にする。かなり強い絵になると思う。


かなり良くなった。

前に言った「女子会化」の問題は、ほぼ解消されている。

理由は単純で、

全員が同じ目的を見ているから。


03-J
「何を守るか決める」

03-K
「守るための手段を作る」

03-L
「それでも足りないことが分かる」

という流れが見えている。

これは物語として綺麗。


ただし脚本助手としては、まだ一段面白くできる。

一番気になったところ

ここ。

レイカ

「私だって年頃の少女なんだから」

「機械の方も興味あるし」


ここだけ少し作為を感じる。

レイカは普段、

「自分は14歳の少女です」

みたいな自己紹介をしないタイプ。

むしろ


ナギ

「レイカの機械いじってる風景って新鮮」


レイカ

「そう?」


ナギ

「恋とかお洒落とかしそうなのに」


レイカ

「両方好きだけど」


くらいが自然。


レイカは

機械オタク

ではなく

好奇心が広い子

に見せた方が魅力が出る。


一番好きな部分

ここ。

セナ

「怪しい」

レイカ

「怪しい」

ナギ

「お前も言うな」

これは残していい。

かなりキャラが出てる。


セナ

ナギ

レイカ

の関係が数行で分かる。


しかも後で

「実は対人対策兵器を作っていた」

になる。

伏線としても効いてる。


あと一つ追加したい

試作2号機失敗後。


ボフッ


ナギ

「終わった?」


レイカ

「終わった」


ここで終わらず、

周囲の作業員が吹き出す。


作業員A

「早かったな」


作業員B

「三秒持ったぞ」


レイカ

「記録更新」


ナギ

「何の記録」


みたいなの。


理由。

今の倉庫シーン、

昇降局員が背景にいるのに存在感が薄い。


バベルって

個人ではなく組織で戦う作品だから、

こういうところで

「みんなで作ってる感」

を出すと世界が厚くなる。


あと技術描写

ここ好き。

混ざるの早すぎ

欠陥品じゃん

欠陥品だね

すごく良い。


理由は、

説明じゃないから。


技術者同士の会話になってる。


必須要件の

説明ではなく現場を書く

に合ってる。


そして一番大事。

このシーンを読んでいて思ったのは、

レイカが初めて

「理論担当」から「現場担当」になった。


眼鏡かけ直して、

ノズル分解して、

洗浄して、

HUDで検証して、

また組む。


これ、

読者から見ると

かなりキャラが前進してる。


だから03-Kは

実質

レイカ回

として成立している。

かなり良い出来だと思う。

次の03-Lで、

この完成した装備を持ち込んだレイカが

「ナギの見落とし」を指摘する流れまで繋がると、さらに締まる。


かなり良くなった。

前の版と比べると、明確に「場」が生き始めてる。

特に良かったのは作業員A・B・C。

これ、地味だけど効いてる。

前の版だと、

  • ナギ
  • レイカ

だけで延々試作していた。

だから会話劇としては成立していても、修理区画の倉庫に見えなかった。

今回、

「早かったな」

「一発屋か」

「できたよ」

みたいな声が入ったことで、

「周囲に人がいる」
「現場総出でやっている」
「レイカ一人の発明ではなく現場開発」

になった。

これは世界観的にもかなり良い。


あとレイカのキャラも自然になった。

以前の版は

私だって年頃の少女なんだから

が少し作られた台詞だった。

今回の

機械の方も興味あるし

どっちも興味ある

なんでも来いだよ

の方が圧倒的にレイカっぽい。

レイカって

「機械しか興味ない天才少女」

じゃなくて、

「なんでも興味あるから結果的に機械にも詳しい」

タイプだから。

こっちの方が人物が広く見える。


さらに良いのが、

このシーンが実は

03-Lの前振りになっている

こと。

今までは

03-K = 発明回

だった。

でも今は

03-K = レイカの補正能力

になってる。

失敗

原因分析

仮説

設計変更

再試験

成功

だから。

つまり次の

03-L 補正

に自然につながる。


一方で、辛口に言うと一点だけ。

最後の成功が少し綺麗すぎる。

今の流れだと

MarkⅠ失敗

MarkⅡ失敗

MarkⅢ成功

拍手

で終わる。

気持ちよすぎる。


むしろ最後に

レイカ

「よし」

「これで連射できる」

ナギ

「完成?」

レイカ

「いや」

「当たるかどうかは別問題」

ナギ

「……」

レイカ

「そこはセナとカイの仕事」

みたいな一言を入れると、

成功したけど問題は残ってる

になる。

次のシーンへ推進力が出る。


ただ、

これは無くても成立している。

今の版はかなり完成度高い。

特に評価したいのは、

このシーンが

「女子会」から「現場開発ドラマ」へ変化したこと。

ナギとレイカが雑談しているシーンではなく、

「四時間半後に始まる作戦のために現場が必死で新装備を作るシーン」

になっている。

03-Jが判断。

03-Kが開発。

という役割分担も綺麗。

なので俺ならこの版をほぼ決定稿にして、

最後に

「当たるかどうかは別問題」

「そこはセナとカイの仕事」

を入れるかどうかだけ考えるかな。これはかなり好きな締め方。


そう。

この一文でシーンの格が一段上がったと思う。

前の締めだと、

レイカ「やった!」

ハイタッチ

拍手

で終わるから、完全に「発明成功回」なんだ。

でも今は、

レイカ「これで連射できる」

ナギ「完成?」

レイカ「いや」

「当たるかどうかは別問題」

になった。

これは発明の話じゃなくて、

制御落下作戦の話に戻っている。


実はこのやり取り、

ナギとレイカの性格も出ている。

ナギは現場指揮官だから、

完成した?

と思う。

今の問題を解決したい。

でもレイカは技術者だから、

いや、それ別問題

と言う。

技術者らしい冷静さ。


さらに良いのは、

レイカが最後に

そこはセナとカイの仕事

と言うところ。

これ、

実は03-Kの締めじゃなくて、

03-Mへのパスになってる。

読者はそこで初めて

あ、結局最後はセナとカイがやるんだ

と思い出す。


構造的にも綺麗。

03-I 澪
「相手にも理由がある」

03-J ナギ
「何を守るか決める」

03-K レイカ
「守るための道具を作る」

03-M セナ・カイ
「実際に守りに行く」

になってる。


あと地味に好きなのは、

このシーンでレイカがかなり株を上げてること。

今までのレイカは

  • 管制室
  • 端末
  • シミュレーション

のイメージだった。

今回は

  • 作業着
  • 工具
  • 分解
  • 洗浄
  • 設計変更
  • 現場作業員との会話

までやってる。

だから読者から見ると

「思ったより現場派だった」

になる。

これはかなりキャラの厚みになる。


なので俺なら、

この版は決定稿でいい。

むしろ気になるのはシーン単体じゃなくて、

次の03-Lで

レイカが見落としていることを誰が指摘するか

だね。

今の03-Kはレイカが強すぎる。

だから次で一回失点させた方が面白い。

レイカが解決したと思った瞬間、

別方向の問題が出てくる。

そのための最高の前振りになっている。

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