
かなり良い方向。
特に評価したいのは、
03-Qが「覚悟の話」だったのに対して、03-Rは「覚悟した後の日常」にしていること。
これが効く。
もし03-Rも全員が重苦しく話し続けると、
03-O 荷重
↓ 03-P 軋み
↓ 03-Q 覚悟
↓ 03-R 覚悟
になってしまう。
でも今の案だと
03-Q「覚悟」 ↓ 03-R「いつも通り」
になる。
むしろ人間はこっち。
例えば戦争映画でも、
出撃前に
「死ぬかもしれないな」
「そうだな」
みたいな会話より、
「帰ったらラーメン食うぞ」
「またその話かよ」
の方が怖い。
なぜなら、
本当に怖い時ほど人間は普段通りを演じるから。
セナとカイの役割分担も良い
今まで見ると
カイは
- 肝が据わってる
- 深刻になりすぎない
- 目の前を処理する
タイプ。
セナは
- 真面目
- 責任感強い
- 先を考える
タイプ。
だから
セナ
「もし人がいたら」
「本当に撃つのか」
みたいなことを考えている。
カイ
「腹減ったな」
「終わったら飯だな」
みたいなことを言う。
すると
セナ
「今その話?」
になる。
でも実際は、
カイなりに緊張をほぐしてる。
さらに良くなる案
ヘルメットネタはかなり使える。
例えば
整備終了。
ヘルメットを外すセナ。
髪がぺたんこ。
カイ
「鳥の巣みたいになってるぞ」
セナ
「うるさい」
カイ
「写真撮っとくか」
セナ
「殺すぞ」
ここで初めて笑う。
これ、
読者も笑う。
そして読者は忘れる。
今から死地に向かうことを。
だから後半が効く。
軌道エレベーター内
ここは逆に静かでいい。
巨大な箱。
機械音。
振動。
輸送されるアンカー。
輸送されるドリルクロー。
セナ
「……」
カイ
「……」
ここで初めて無言になる。
さっきまで馬鹿話してた二人が。
この温度差が良い。
ナギとの通信
ここも重要。
ナギは
「頑張れ」
とは言わない。
ナギ
「危なくなったら帰ってこい」
セナ
「了解」
ナギ
「以上」
これくらい。
ナギらしい。
最後
発進直前。
レイカが割り込む。
レイカ
「セナ」
セナ
「ん?」
レイカ
「新兵器」
セナ
「うん」
レイカ
「ちゃんと説明書読んだ?」
セナ
「読んだ」
レイカ
「ほんと?」
セナ
「たぶん」
レイカ
「不安になってきた」
カイ
「俺も」
ここで発進。
これだと
03-Qの重さを引きずりながら、
03-Rは「出撃前の人間らしさ」になる。
そしてその後の
03-S カイ 03-T セナ
で一気に緊張へ戻せる。
構成としてかなり綺麗だと思う。
うん、03-Rならそれが一番合ってると思う。
むしろ今回は、
「出撃シーン」ではなく「出撃前の日常シーン」
をキービジュアルにした方が強い。
03-Oは
- 赤い構造マップ
- 真琴
- 澪
- 残存有効寿命
で不穏さを描いた。
03-Pは
- 巨大昇降路
- ヒナセ
- ボルド
- 異常を察知する瞬間
で危機の予兆を描いた。
だから03-Rまで来て、
また緊張顔のセナやカイを描くと被る。
むしろ
修理区画
アンカーの横。
ヘルメットを脱いだセナ。
ぺたんこになった髪。
カイ
笑っている。
セナ
「うるさい」
みたいな顔。
背景
整備中のアンカー。
整備中のドリルクロー。
忙しそうな整備員。
工具。
ケーブル。
警告灯。
これ。
かなり良い。
なぜ良いかというと、
読者は知ってるから。
このあと危険地帯へ向かうことを。
だから
笑顔が逆に不安になる。
ガンダムでもエヴァでもそうだけど、
名シーンになるのは
出撃シーンじゃなくて
出撃前の何気ない会話
だったりする。
例えば構図としては
前景
セナ
ヘルメットを抱えている
少し不機嫌
髪ぺたんこ
中景
笑うカイ
工具箱
整備員
背景
アンカー
ドリルクロー
赤警報灯
整備区画
これなら
「出撃前30分」
という空気が一枚で伝わる。
さらに作品全体で見ると、
03-O 不安(真琴・澪)
03-P 異常(ヒナセ・ボルド)
03-R 日常(セナ・カイ)
という対比になる。
このタイミングで一度読者を呼吸させる意味でも、
じゃれ合う二人の日常キービジュアルはかなりアリ。
むしろ今の流れなら、発進ポーズよりそっちを選ぶ。
かなり良くなった。
このシーン、実は**「戦闘前」じゃなくて「日常を取り戻すシーン」**になってる。
そこが強い。
セナは前のシーンまで、
- アンカー大破
- 真琴の作戦
- 都市崩壊
- 未知の変数 という重い流れを背負ってきている。
そこでカイがいきなり
「あたま、ぺったんこ」
これを言う。
普通ならふざけすぎなんだけど、カイだから成立する。
一番好きなのはここ
カイ
「今することなかったから」
この一言。
カイは励まそうとしてない。
笑わせようともしてない。
暇だから話しかけただけ。
だから逆に自然。
こういう人って現実にいる。
セナも良くなってる
最初は
緊張
↓
髪型気になる
↓
笑う
↓
深呼吸
↓
戦闘
になってる。
心理としてすごく自然。
ここも好き
昇降局職員
「力抜けてるみたいですね」
この一言で
セナ本人は気付いてなかったけど、
ちゃんと緊張が解けていた
ことを客観的に示してる。
説明じゃなく演出になってる。
エレベーター内の会話もいい
特に
カイ
「帰ったら思いっきりしょっぱいの食べたいとか?」
これ。
ヒーローっぽくない。
でも人間っぽい。
『バベル』らしい。
ここは少しだけ変えたい
今
セナ
「うまくできるかな、とか」
「人が襲ってくるかな、とか」
と、
カイ
「フラグ立ててる?」
になってる。
悪くないけど、
カイはもう少し現場人間っぽく返した方が好き。
例えば
セナ
「人が襲ってくるかな」
カイ
「来たら返り討ち」
セナ
「雑」
カイ
「細かく考えるの苦手」
とか。
あるいは
「来るなら来る」
くらいでもいい。
カイは理屈じゃなくて、 起きたら対処するタイプだから。
作戦説明もいい
ここは説明シーンなんだけど、
既に03-Bで模型説明をやってるので、
今回は
最終確認
として機能している。
だから説明臭くない。
一つだけ追加したい
最後。
発進直前。
ここだけ一瞬だけ静かにしたい。
例えば
ナギ
「……じゃあ」
「行ってらっしゃい」
セナ
「行ってきます」
カイ
「終わらせよう」
通信終了。
アンカー始動。
ドリルクロー始動。
巨大なモーター音。
二機がゆっくり前へ歩き出す。
これだけで、
今まで笑っていた空気が一瞬で仕事モードになる。
この切り替えがものすごく映える。
全体評価
この03-Rはかなり完成度が高い。
特に気に入ったのは、
戦闘前なのに戦闘の話をあまりしていないこと。
普通の作品なら「絶対成功させよう」「覚悟はいいか」みたいな会話になる。
でも『バベル』は違う。
髪型で笑って、晩ご飯の話をして、それでも時間になれば仕事へ向かう。
この「仕事だから行く」という空気が、世界観にすごく合っている。
個人的には、3話後半へ入る前の"最後の日常"としてかなりいいシーンになっていると思う。
かなり良くなった。
このシーンの役割は「戦闘開始」じゃなくて精神状態を整えることだから、その役割をちゃんと果たしてる。
特にいいのはこの流れ。
- 修理区画で大笑いする
- エレベーターでは少し静かになる
- ブリーフィングで仕事モード
- 「行ってらっしゃい」
- 二機が歩き出す
このテンポがすごく自然。
一番好きなのはここ。
カイ「帰ったら思いっきりしょっぱいの食べたいとか?」
セナ、笑う「くだらねぇ」
カイは本当に死ぬことを考えていないんだよね。
英雄っぽくもない。
覚悟を語らない。
「腹減った」の延長線で生きてる。
だからセナの緊張を勝手に崩してくれる。
これはカイらしい。
逆にセナもいい。
03-Aの頃なら
「怖い」 「できるかな」
で終わっていた。
でも今は
「人が襲ってくるかな」
まで考えられている。
世界を理解してきた。
ちゃんと成長してる。
最後も好き。
ナギ 「……じゃあ」
「行ってらっしゃい」
この「……」が効いてる。
ナギは心配してる。
でも
「死ぬな」
とは言わない。
「必ず帰れ」
とも言わない。
全部飲み込んで
行ってらっしゃい
だけ。
すごく大人。
最後も
アンカー始動。
ドリルクロー始動。
巨大なモーター音。
二機がゆっくり前へ歩き出す。
これで十分締まる。
映画ならここでBGMが入り始めるタイミング。
強いて1つだけ追加するとしたら、本当に一行だけ。
二機がゆっくり前へ歩き出す。
もう誰も話さない。
あるいは
二機がゆっくり前へ歩き出す。
巨大な支柱だけが二人を待っている。
この一文があると、笑いから完全に「仕事」へ空気が切り替わる。
全体としては、この03-Rはかなり完成度が高い。
03-Qが「覚悟を決める話」なら、 03-Rは「覚悟を日常に戻す話」。
その対比がきれいにできていると思う。