02-AA ボルドの決断 構想

今の構想でも十分成立する。

ただ、率直に言うと、

02-AAを単なる「ボルドによる状況説明回」にしたら弱い。

なぜなら読者はもう02-Zで結論に到達しているから。


今読者が知りたいのは

「切られるのか?」

ではない。

もう分かってる。


知りたいのは

「それでもボルドは何を選ぶのか?」

なんだ。


だからタイトルも

「都市循環更新」

より

「ボルドの決断」

の方が強いと思う。


俺なら02-AAをこうする。

ボルドの決断

夜。

ボルドとヒナセ。

高所。

バベルを見下ろしている。


ヒナセはまだ怒ってる。


ヒナセ

「なんとかならねえのか」


ボルド

「ならん」


ヒナセ

「なんで分かる」


ここで初めて、

ボルドが都市の歴史を語る。


ボルド

「昔はもっと下にも人が住んでた」


ヒナセ

「え?」


ボルド

「オレがガキの頃だ」


ここがポイント。

設定説明じゃない。

ボルドの思い出。


かつての居住区。

かつての商店。

かつての給水所。


全部なくなった。


ヒナセ

「知らねえ」


ボルド

「お前は生まれてない」


ここで初めて

都市循環更新

という概念が出る。


つまり

今までだって切られてきた。


だからボルドは知っている。


ヒナセ

「じゃあ諦めろってのか」


ボルド

「違う」


ここが決断。


ボルド

「救える奴を救う」


ヒナセ

「……」


ボルド

「地区は救えん」


ボルド

「だが人は救える」


ボルド

「オレたちはまだ動ける」


これ。


実は真琴と同じ結論。


真琴

「4782人は救えない」


ボルド

「全員は救えない」


でも

真琴は数字から到達。

ボルドは現場から到達。


同じ結論なのに

立場が真逆。


これが面白い。


さらに強くするなら、

ボルドが

自分の家族を昔の循環更新で失っていた

でもいい。

ただしこれは慎重。

安易に悲しい過去を足すとボルドが軽くなる。

今のボルドは

「経験で知っている」

くらいがちょうどいい。


そして

02-AA ボルドの決断

02-AB 真琴の結論

02-AC 幹を守る

02-AD バベル遠景

はかなり綺麗。


特に面白いのは

02-AAと02-AB。

実は敵味方でも何でもなく、

ボルドも真琴も同じ結論に辿り着く。

でも

真琴は管理者として。

ボルドは住民として。


この対称構造ができると、

「悪役が切り捨てた」

ではなく

「誰も正解を持っていない」

世界になる。

それが今のバベル:リビルドらしいと思う。


そこ、かなり良い感覚だと思う。

実際、バベル:リビルドの世界観だと、

「家族を失った」は特別な悲劇ではない。

なんだよね。

読者視点だと「家族を失った」は重い設定なんだけど、この世界ではそれが日常に近い。

だから、

ボルドは過去の循環更新で妻子を失った

と明言すると、

本来ボルドが持っている

都市労働者としての普遍性

が消える危険がある。


むしろ、

ヒナセ 「なんでそんな落ち着いてんだよ」

ボルド 「初めてじゃないからだ」

くらいの方が怖い。


ヒナセ 「……何が」

ボルド 「こういうのがだ」


これだけで十分伝わる。

読者は勝手に想像する。

  • 昔も地区が切られた
  • 昔も人が取り残された
  • 昔も誰かが怒った
  • 昔も誰かが泣いた

でもボルドは語らない。

語りたくないからではなく、

あまりにも当たり前だから。


この世界で30代以上の人間はたぶん皆そう。

真琴も。

ミネも。

ボルドも。


例えば真琴。

読者からすると、

「独身なのかな?」

と思う。

でも実際は、

結婚していたかもしれない。

恋人がいたかもしれない。

子供がいたかもしれない。


ただ、

それを今さら語る理由がない。


なぜなら彼らにとって重要なのは、

失ったことではなく、

失ったあとも働き続けていること

だから。


これ、かなりバベルらしい価値観なんだよ。

普通の作品だと、

「家族を失った悲しみ」

がドラマになる。


でもバベルでは、

「それでも配管を直す」

「それでも避難誘導する」

「それでも制圧フレームに乗る」

がドラマになる。


だからボルドの過去は、

明かさない方が強い。


むしろ02-AAでやるべきなのは、

ボルドが過去を語ることではなく、

ヒナセが

「なんでそんな平気なんだよ」

と言った時に、

ボルドが

「平気なわけあるか」

と返すこと。


これ結構強い。


ボルド

「平気なわけあるか」


ボルド

「怒ってる」


ボルド

「腹も立ってる」


ボルド

「だが」


ボルド

「明日には避難始めなきゃならん」


ボルド

「それが今の仕事だ」


これ。

過去話より何倍もボルドらしい。


そして真琴も同じ。


真琴 「4782人は救えない」


ボルド 「全員は救えない」


両者とも辛い。

両者とも怒っている。

両者とも諦めていない。


ただ、

次にやるべき仕事を選んでいる。


そこがこの作品の大人組の格好良さだと思う。


うん、その方向がかなりいい。

ただし、

「怒るヒナセ」と「怒るボルド」では絵として弱い。

なぜなら02-Zで既にやってるから。


02-Z『切り捨てられる街』

なら

ヒナセ = 感情爆発

ボルド = 沈黙

だった。


だから02-AAは一段進めたい。


俺ならテーマは

「覚悟」

にする。


ヒナセは怒っている。

ボルドも怒っている。

でももう怒鳴らない。


二人とも

「受け入れたくない」

「受け入れる」

の途中にいる。


だからキービジュアルは

パターンA(おすすめ)

高所の配管上

夕暮れ

巨大都市バベルを見下ろす


前景

ヒナセ

腕組み

不満そう

唇を噛む


後景

ボルド

黙って街を見ている


二人とも同じ方向を見る


この構図だと

「敵がいる」

じゃなく

「現実と向き合っている」

になる。

かなり02-AA向き。


パターンB

もっと強い


ボルド座ってる

ヒナセ立ってる


ヒナセ

怒っている


ボルド

静か


遠景

止まったエレベーター


つまり

動いている感情

動かない現実

の対比


これはドラマ寄り。


パターンC(個人的に一番好き)

二人とも街を見ている

顔が見えない

後ろ姿


夕陽

鉄骨

停止したエレベーター


ヒナセ

小さい


ボルド

大きい


会話だけが入る

「切る気か?」

「分からん」


これめちゃくちゃ渋い。


特に02-AAは、

セナ回みたいにキャラの顔を見せる回じゃない。

世界そのものが主役。


だから

02-X

恐怖するセナ

02-Y

違和感を抱くヒナセ

02-Z

怒るヒナセ

02-AA

街を見つめるボルドとヒナセ

この流れが一番綺麗だと思う。

俺なら02-AAは

「静かな怒り」より「決断前夜」

の絵にする。ボルドの回だしね。


うん、その方向性はかなりいい。

むしろ今の流れだと、

  • 02-Y「静かな停止」=違和感
  • 02-Z「切り捨てられる街」=感情
  • 02-AA「ボルドの決断」=理性

という三段構成になっていて綺麗。

なのでキービジュアルもそのテーマに寄せた方がいい。

今の案の

「静かな怒りを感じるボルドとヒナセ」

はかなり適切。

ただしポイントは、

ヒナセは怒っている ではなく

怒り始めている

くらい。

そして

ボルドはもう怒りの先にいる

が重要。


例えば構図。

夕暮れ。

停止した軌道エレベーター。

誰もいない昇降局。

赤い光。

手前。

ヒナセ。

作業着をだいぶはだけている。

拳を握っている。

エレベーターを睨んでいる。

まだ感情が前に出ている。


その横。

ボルド。

スキンヘッド。

筋肉質。

腕組み。

同じ景色を見ている。

しかし睨んでいない。

怒鳴っていない。

もう理解している。


この対比。

ヒナセ 「なんでだよ」

ボルド 「そういうもんだ」

を一枚で見せられる。


実はこの構図、

02-Zのキービジュアルというより

02-AAのキービジュアルに近い。

なぜなら、

02-Zはヒナセの感情爆発。

02-AAはボルドが

「怒っても街は戻らん」

という結論に至る話だから。


なので俺なら、

02-Z

ヒナセ単独

  • 泣きそう
  • 怒ってる
  • 夕焼け
  • 動かないエレベーター

02-AA

ボルド+ヒナセ

  • 二人で遠景を見る
  • ボルドは静か
  • ヒナセは怒りが残っている
  • 動かない都市

に分けるかな。

作品全体の流れで見ると、

感情担当がヒナセ決断担当がボルド

になって、すごく収まりがいい。


かなり良い。

そしてこのシーン、実は「都市循環更新」の説明回じゃなくて、ちゃんとボルドの人格が見えるシーンになっている。

ただ、今のままだと一箇所だけ惜しい。


今の流れだと

ヒナセ ↓ 怒る ↓ ボルド ↓ 過去を語る ↓ 生き残ろう

で終わる。

でもボルドの決断がまだ弱い。


ボルドが本当に言いたいのは

「切り捨ては止められない」

じゃない。

それは真琴の結論。


ボルドは現場の人間だから、

もっと汚い結論になる。


例えば

ヒナセ

「じゃあ諦めろってのか」

ボルド

「諦めない」

「オレたちは生き残る」

「オレやお前や仲間だ」

ヒナセ

「この地区は?」

ボルド

「救われる奴しか救われん」

ヒナセ

「平気なのかよ」

ボルド

「平気なわけあるか」


ここまでは同じ。


その後

ボルド

「だから避難させる」

ヒナセ

「え?」

ボルド

「今からだ」

ボルド

「信じる信じないは勝手だ」

ボルド

「だがオレは伝える」

ボルド

「この地区は終わるかもしれん」

ボルド

「逃げろとな」


これ。


つまり

02-AAのタイトルが

「ボルドの決断」

なら、

決断は

「現実を受け入れる」

ではない。


「住民に避難を呼びかける」

なんだ。


これを入れると

02-Y 静かな停止

↓ 02-Z 切り捨てられる街

↓ 02-AA ボルドの決断

↓ 02-AB 真琴の結論

になる。


そして面白いのが、

真琴とボルドが一度も会話していないのに

同じ結論へ到達していること。


真琴

「幹を守るため切り離す」

ボルド

「切り離されるなら住民を逃がす」


同じ現実を見て、

立場が違うから役割が違う。

これがすごくバベル・リビルドらしい。

誰も悪役じゃない。

でも全員苦しい。

今の構成なら、そこがかなり綺麗に出ると思う。


そのガイドラインを読む限り、俺も「避難しろ」は悪手だと思う。

理由は単純で、

ボルドはまだ"切り離しが確定した"ことを知らない。

そして、

外壁民は「避難」という言葉に非常に重い意味を持つ。


例えば現段階でボルドが

「逃げろ!」

と言ったら、

外壁民は本気で動く。

荷物をまとめる。

索道を準備する。

高齢者搬送班を組む。

生活基盤を動かし始める。


でもその結果、

翌日になって

「単なる大規模障害でした」

となったら?


ボルドは信用を失う。

外壁民社会は口コミ社会だから。


だからボルドという人物なら、

むしろ逆。


ボルド

「まだ言うな」

ヒナセ

「なんでだよ!」

ボルド

「確証がない」


こっち。


そしてさらにボルドは、

外壁民を知っている。

だからこう考える。


もし本当に切られるなら

避難命令なんか出さなくても

最初に異変に気付くのは外壁民だ。


水が来ない

資材が来ない

通信が来ない

昇降局が来ない

職人たちが騒ぎ始める

地域ネットワークが動く

勝手に避難準備が始まる


これが外壁民。


だから02-AAのボルドの決断は

「避難を呼び掛ける」

ではなく


「まだ確証はない。だが最悪に備える」


になると思う。

例えば。


ヒナセ

「どうするんだよ」

ボルド

「まず工具をまとめろ」

ヒナセ

「え?」

ボルド

「水もだ」

ヒナセ

「避難か?」

ボルド

「違う」

ボルド

「準備だ」


この言葉はボルドらしい。


なぜなら外壁民の価値観では

避難と準備は違うから。


避難 =家を捨てる決断

準備 =いつでも動ける状態


ボルドはまだ前者を選ばない。

でも後者は選ぶ。


そしてこれ、

実は真琴との対比にもなる。

真琴は

「切り離しを決断する」

人。

ボルドは

「切り離されることを前提に準備する」

人。


同じ現実を見ている。

でも立場が違う。

だから行動も違う。

この方が02-AAの「ボルドの決断」としてかなり強い気がする。

「避難を呼び掛ける男」より、

「確証がなくても仲間の生存率を上げるため静かに準備を始める男」

の方が、今のボルドには合ってる。


ここ、実はバベル:リビルドのテーマそのものに繋がる部分だと思う。

結論から言うと、

ボルドは助ける。 ただし、 全員は助けない。

になる。


まずボルドは善人だ。

ヒナセみたいに感情的じゃないだけで、

見捨てる人間ではない。

だから、


老人

子供

怪我人

妊婦


こういう人間が

「助けてくれ」

と言ったら、

たぶん助ける。

これはボルドらしい。


でも、

「じゃあ地区の5000人全員を運べ」

となったら無理。

ボルドも分かっている。


だから、

ボルドの考え方はたぶんこう。


「助けられる奴は助ける」

「助けられない奴は助けられん」


これ。

冷酷ではない。

現場の人間の発想。


実際、02-AAでやるなら、

ヒナセはこう言うはず。


ヒナセ

「みんな連れて行くぞ」


ボルド

「無理だ」


ヒナセ

「なんでだよ!」


ボルド

「索道が足りん」


ボルド

「人手も足りん」


ボルド

「運べる水も足りん」


ボルド

「途中で全員死ぬ」


これ。


ヒナセはまだ19歳だから、

「全員助けたい」。


ボルドは40代だから、

「助けられる人数を最大化する」。


この価値観の衝突はかなり強い。


むしろ俺なら、

02-AAの主題を

「誰を助けるか」

にする。


真琴

→4782人を捨て82人を守る


ボルド

→5000人を救えないから100人を救う


ヒナセ

→5000人全員を救いたい


実は全員同じ問題を見ている。

違うのは立場だけ。


これが成立すると、

真琴だけが冷酷な管理者じゃなくなる。

ボルドも同じ結論に辿り着く。

ただし、

真琴は都市規模で。

ボルドは現場規模で。


すると02-AAのタイトルが

「ボルドの決断」

として非常に重くなる。

彼は真琴を知らない。

でも、

最終的に同じ答えに辿り着いてしまう。

それがこの章の苦味になると思う。


ここ、かなり重要な分岐だと思う。

今の設定だと、

ボルドは「助けたい」

でも「助けられない」

が正しい。

問題は理由なんだよね。

今の外壁民避難システムは、

  • 索道
  • 滑車
  • 背負子
  • 運搬ソリ

で成立している。

でもこれは、

「荷物を運ぶためのシステム」

なんだ。

人間輸送には全く向いていない。


例えば避難班20人。

背負子10台。

索道3本。

運搬ソリ5台。

だったとする。

外壁民100人を移動させるだけで数時間かかる。

そこへ一般住民500人が来たら?

物理的に無理。


だからボルドは、

「助けるか助けないか」

ではなく、

「運べるか運べないか」

で判断すると思う。

これは結構大事。


例えば。


一般人

「頼む!」

「助けてくれ!」


ボルド

「歩けるか」


一般人

「歩ける」


ボルド

「なら付いて来い」


これは助ける。


でも。


一般人

「母親がいるんだ!」

「寝たきりなんだ!」


ボルド

「運搬班は残り二人だ」


一般人

「頼む!」


ボルド

「……」


ボルド

「無理だ」


こっちも成立する。


ここでボルドは冷酷なんじゃない。

計算してる。


寝たきり老人1人運ぶ

背負子2人拘束

移動速度半減

避難班20人が巻き添え


になる。

だから断る。


そして一番バベルらしいのは、

ボルド自身がその判断を嫌っていること。


ヒナセ

「助けろよ!」


ボルド

「助けたい」


ヒナセ

「じゃあなんで!」


ボルド

「オレ一人で何人運べる」


ヒナセ

「……」


ボルド

「五百人か?」


ヒナセ

「……」


ボルド

「千人か?」


ヒナセ

「……」


ボルド

「違う」


ボルド

「十人も無理だ」


ボルド

「だから運べる奴から運ぶ」


この方がボルドらしい。


そしてもっと残酷なことを言うと、

外壁民はそもそも「避難民を受け入れる側」ではない。

彼ら自身が避難民なんだ。

B-19から逃げる。

↓ 次の地区へ行く。

↓ そこも食料・水・居住空間がギリギリ。

↓ さらに何百人も来たら共倒れ。


だからボルドは、

「付いて来られるなら来い」

「運べと言うなら無理だ」

という立場になると思う。

これ、かなり苦いけど、

真琴の

「4782人を救えない」

ボルドの

「目の前の500人を運べない」

が同じ構図になる。

つまり、

選別局も外壁民も、結局は限界の中で人を切り捨てている。

この対称性はかなり強いテーマになると思う。

真琴だけが苦しんでいるんじゃなく、

ボルドも同じ地獄を見ている。

だから後々この二人が対立した時に、

単純な善悪にならない。これはかなり美味しい。


かなり良くなった。

特に後半の

「避難か?」

「違う」

「準備だ」

これはボルドらしい。

外壁民避難ガイドラインとも矛盾しない。


ただ一箇所だけ引っかかった。

ここ。

ボルド

「止めはしない」

「自分で動けるやつは逃げるべきだ」

「オレらは助けられない」

「運べないんだ」

この順番だと少し説明臭い。

ボルドはもっと職人っぽいと思う。


例えば。

ボルド

「止めはしない」

「自分で動けるやつは動け」

ヒナセ

「近くの連中は?」

ボルド

「知らん」

ヒナセ

「知らんって!」

ボルド

「オレは神様じゃない」


ここで一回切る。


ヒナセ

「助けろよ!」


ボルド

「助けたい」


ヒナセ

「じゃあなんで!」


ボルド

「オレ一人で何人運べる」


ヒナセ

「……」


ボルド

「五百人か?」


ヒナセ

「……」


ボルド

「千人か?」


ヒナセ

「……」


ボルド

「違う」


ボルド

「片手で数える分も無理だ」


ボルド

「だから運べる奴を運ぶ」


ボルド

「それだけだ」


こうすると、

「運べないんだ」

という説明を削って、

読者自身が理解する形になる。


あと最後の

自分に言い聞かせるように、話す。

これはすごく良い。

むしろこのシーンの核心。

ボルドはヒナセを説得しているようで、

実際には

自分自身を説得している。


真琴は

4782人を切る決断をした。

ボルドは

助けられない人間が大量に出ることを受け入れる決断をした。


規模は違う。

でも苦しみは同じ。

そこがこの章の美しさになりそう。

なので全体評価としてはかなり良い。

今の02-AAは、

「都市循環更新の説明回」ではなく、

ちゃんとボルドという男の限界と覚悟の話になっている。これは大きい。


これはかなり良い。

正直、今まで詰めてきた02系の中でもかなり完成度が高い部類だと思う。

理由は3つ。

1. ヒナセの怒りが感情論で終わっていない

ヒナセは

「助けろよ!」

と言っている。

でもその直前まで、

  • 地区の人
  • 自分で動けない人
  • 近所の住民

を気にしている。

だから単なる子供の癇癪じゃない。

「人間として当然の反応」になっている。


2. ボルドが冷酷に見えない

ここが大事。

もし

「無理だ」

だけだと冷たい。

でも今回は

「助けたい」

を先に言っている。

だから読者は分かる。

ボルドは見捨てたいわけじゃない。

助けられないだけだ。


3. 「オレは神様じゃない」が強い

これがこのシーンの核になってる。

真琴もそう。

ボルドもそう。

結局みんな

神様じゃない

んだよね。


真琴

4782人を救えない


ボルド

500人を運べない


ヒナセ

全員を助けたい


全員正しい。

でも全員限界がある。

この作品らしい。


あえて言うなら一点だけ。

最後に

自分に言い聞かせるように、話す。

の前に、

ほんの一瞬だけ沈黙を入れるとさらに効く。

例えば。


ボルド

「だから運べる奴を運ぶ」


ボルド

「それだけだ」


沈黙。


自分に言い聞かせるように話す。


こうすると、

ボルド自身がその結論を飲み込めていない感じが出る。


でもこれは好みの領域。

今のままでも十分成立している。

なので、

02-AA『ボルドの決断』の決定稿として採用していいと思う。

そしてこのシーンの本質は、

「ボルドが決断した」ではなく、

「ボルドは昔から何度も同じ決断を強いられてきた」

ということ。

だから最後の苦味が残る。これはかなり良い。

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