
バベル:リビルド
外壁民避難誘導ガイドライン v1.0
概要
本資料は、バベル外壁部に居住する「外壁民」における避難行動・避難誘導・荷物輸送・集団移動の基本思想を定義するものである。
本作において外壁民は、
- 選別局
- 昇降局
- 保安群
とは全く異なる避難文化を持つ。
彼らは行政機関による集団輸送に依存せず、
「自力で生き延びる」
ことを前提として生活している。
そのため外壁民の避難は、
現代日本の避難所運営とも、
選別局の管理型避難とも大きく異なる。
基本思想
避難とは何か
選別局:
人間を安全地帯へ収容する行為
外壁民:
生存可能な場所へ移る行為
重要なのは、
外壁民にとって避難とは、
「保護されること」
ではなく
「住処を移すこと」
である。
外壁民の特徴
外壁民は日常的に
- 崩落危険区画
- 非登録居住区
- 配管外壁
- 補修足場
- 保守通路
を移動している。
そのため、
一般市民より圧倒的に高い移動能力を持つ。
移動能力
成人外壁民は日常的に
- ワイヤー移動
- 垂直移動
- 狭所通過
- 梯子移動
- 足場移動
を行う。
そのため、
選別局職員から見れば危険な経路でも、
外壁民にとっては通常ルートである。
避難誘導の考え方
選別局方式
選別局は
- 点呼
- 名簿確認
- 集団移動
- 昇降機輸送
を行う。
外壁民方式
外壁民は
- 各自移動
- 家族単位移動
- 小集団移動
を行う。
避難指示も極めて簡潔である。
例
東側冷却塔は危険だ!
第七支柱より上へ移れ!
第四索道は使うな!
これだけで行動する。
外壁民ネットワーク
外壁民は公式台帳よりも
地域ネットワークによって繋がっている。
情報伝達手段
- 口コミ
- 作業員連絡
- 手旗
- 発煙筒
- 音響信号
- 無線機
そのため避難時には
行政命令よりも
地域有力者の声が優先される場合がある。
荷物に対する考え方
選別局
基本思想:
荷物より人命
外壁民
基本思想:
荷物も命
外壁民にとって
- 工具
- 水容器
- 発電機
- 交換部品
- 安全具
は生活基盤である。
そのため、
避難時に荷物を捨てることは
職業や生活手段を失うことを意味する。
例
若い職員:
荷物なんか捨てろ!
外壁民:
その箱がなきゃ来月飢えるんだよ
これは典型的な価値観衝突として描写可能。
外壁民の荷物輸送
基本
外壁民は日常的に
重量物を外壁経由で輸送している。
主な輸送手段
- 索道
- 滑車
- 背負子
- 運搬ソリ
索道
最も一般的。
構造
支柱
↓
ワイヤー
↓
支柱
↓
居住区
用途
- 水タンク
- 食料箱
- 工具箱
- 金属部材
- 補修部品
緊急時には
避難荷物輸送にも使用される。
滑車輸送
高低差の大きい場所で使用。
用途
- 大型工具
- 水容器
- 資材
人力で昇降する。
背負子
最も信頼される輸送方法。
特徴
- 故障しない
- 静か
- 小回りが利く
高齢者や子供の搬送にも使用される。
運搬ソリ
外壁補修路や保守レール上で使用。
用途
- 重量物
- 負傷者
- 水容器
複数人で牽引する。
人員輸送
原則
外壁民は
自力移動を前提とする。
避難時も
歩行可能者は自力移動。
支援対象
- 高齢者
- 負傷者
- 幼児
- 妊婦
彼らは
背負子
または
簡易担架
で搬送される。
外壁民避難の流れ
第1段階
情報伝達
危険情報が伝播する。
例
B-19下部崩落!
第四支柱閉鎖!
第2段階
荷物整理
優先順位
- 水
- 工具
- 食料
- 防寒具
- 私物
重要
思い出の品より工具が優先される。
第3段階
索道輸送開始
若年層が荷物を輸送。
各家庭が順番に運搬。
第4段階
人員移動
自力移動可能者から移動。
最後まで残るのは
- 高齢者
- 病人
- 搬送班
である。
第5段階
居住区閉鎖
最後に
水
熱
電力
を切る。
これによって
放棄区画となる。
選別局との関係
外壁民は選別局を嫌ってはいない。
しかし、
根本思想が違う。
選別局
全体を守る
外壁民
目の前の生活を守る
そのため衝突が起きる。
悠人との関係
悠人は外壁民のやり方を理解している数少ない行政側人員である。
悠人は
- 索道輸送
- 荷物優先
- 独自避難
の合理性を理解している。
そのため、
形式上は認められない行為であっても、
現場判断として黙認することがある。
例
真琴:
許可できん。
悠人:
じゃあ見てなかったことにしろ。
真琴:
お前な……
外壁民避難の本質
外壁民にとって避難とは、
行政による救助ではない。
それは
「生きる場所を持ち運ぶこと」
である。
彼らは避難するとき、
家を捨てる。
だが、
生きるための技術と道具だけは持っていく。
だから外壁民は、
避難民ではなく、
常に移動可能な生活者として描かれる。