03-G 他にできることは 構想

いや、その方向でかなり良いと思う。

むしろ03-Gは真琴の話じゃなくて、**「澪が再び選ぶ話」**になっている。

03-Cで澪は

「助けられない」 「検討する意味がない」

としてB-19を切り捨てた。

ところが03-E〜03-Fで、

「切り捨てたはずの人間がまだ生きている」 「しかも反撃してきた」

という事実を突きつけられる。

そして03-Gで再び、

他地区を切るか B-19を生かすか

を選ばされる。

つまり構造的には、

03-Cのリフレイン

なんだよ。

だから真琴は主人公じゃない。

真琴は澪を追い込む役。


俺なら真琴をこんな感じで使う。


真琴、急いで入室。

職員たちがざわついている。

圧力表示。

設計圧力まで残り数%。

真琴

「状況は」

「優先順位1系統が回復」

「制御不能」

「現地設備も破壊されている」

真琴

数秒だけディスプレイを見る。

そして即答。

「上流を閉じてください」

職員たち沈黙。

「それをやると……」

真琴

「周辺7系統が止まります」

「避難区域外も含まれる」

真琴

「はい」


ここで真琴は感情を入れない。

ただの技術者。

だから怖い。


「他の方法は?」

真琴

「ありません」

「減圧は?」

真琴

「間に合いません」

「バイパスは?」

真琴

「工事時間が足りません」

「現地復旧は?」

真琴

「設計圧力到達が先です」


このやり取りが重要。

真琴は決断しない。

選択肢を一個ずつ潰す。


最後に。

「……」

真琴

「どうしますか」


ここで初めて、

03-Fの

(意図的だ…!)

が効いてくる。

澪は相手を憎んでいる。

でも同時に、

まだ生きている人たち

を思い出している。

だから決断できない。


そして真琴。

静かに。

「他にできることはありますか」


この台詞が刺さる。

責めていない。

正論。

だから逃げ場がない。


そして澪。

巨大ディスプレイを見る。

03-Cで黒くしたエリア。

03-Fで色が戻ったエリア。

老人。

子供。

商店。

避難対象者。

頭をよぎる。


「……」

長い沈黙。


そして。

「優先順位1系統」

「上流遮断弁閉」


職員

「了解」


ボタンが押される。


ここで澪の内心。

気づかなかったわけじゃない

最初から分かっていた

でも

私は言いたくなかった

の方が好き。

さらに一歩踏み込むなら、

真琴に言わせたかった

まで行ける。


つまり03-Gの本質は

真琴の提案ではない。

澪が「また切り捨てる」話。

しかも今回は、

03-Cよりずっと苦い。

なぜなら今度は、

向こうが生きようとしている姿を見た後だから。

だからタイトルも、

「代替案なし」

「上流遮断」

みたいな技術タイトルより、

『再選択』 『切り捨てる者』 『他にできることは』

あたりの方がテーマに刺さる気がする。


そうなんだよ。

実はこの世界、制圧フレームや崩落事故よりも、

「インフラ管理権限を持つ人間」

の方がよほど恐ろしい。

03-Cを書いていて感じたけど、澪は悪人じゃない。

むしろ真面目で有能な技術者だ。

だからこそ怖い。


現実の水道局もそうだけど、

弁を閉める。

ポンプを止める。

送電を切る。

通信を遮断する。

これらは日常業務なんだ。

誰かを苦しめるためにやるわけじゃない。

設備を守るためにやる。

全体を守るためにやる。


でも。

バベルでは、

その先に人間がいる。


03-Cで澪が閉じたのは、

画面上では

「優先順位1」

だった。

でも実際には、

老人。

子供。

商店。

避難対象者。

だった。


だから03-Fが効く。

圧力が戻る。

色が戻る。

それは単なる配管データじゃない。

澪には

まだ人がいる

と見えてしまう。


そして03-G。

真琴が

「他にできることはありますか」

と言う。

これは技術者としては正論。

100点。

でも人間としては残酷。


澪は本当は知っている。

上流を閉じれば解決する。

03-Fの時点で気づいていた。

ただ、

そのボタンを押したくなかった。


ここがこの作品の好きなところなんだけど、

誰も超能力を使わない。

誰も悪の帝王じゃない。


ヒナセは

閉じているものは開けばいい

と言う。

澪は

危険だから閉じる

と言う。

真琴は

他にできることはあるか

と言う。


全員正しい。

だから厄介。


そしてこの世界の怖さは、

「殺す」ためのボタンが存在しないこと。

代わりに

「設備保護」 「安全確保」 「流量制御」 「負荷軽減」

という名前のボタンがある。

それを押した結果、

人が死ぬ。


だから『他にできることは』というタイトルはかなり強い。

真琴が言っているようで、

実は作品全体が読者に言っている。

他にできることはあったのか?

と。

そして多分、

誰も気持ちよく答えられない。

そこが03-Gの核になると思う。


俺はこの場合、

「決断する澪」より「決断した後の澪」

の方が強いと思う。

理由は単純で、

ボタンを押す瞬間は行為だけど、

この話の本質は

「自分が何をしたか理解してしまった瞬間」

だから。


例えば。

巨大ディスプレイ。

再び黒く染まっていくB-19地区。

職員たちは作業を続けている。

真琴も次の対応を考えている。

みんな動いている。


その中で澪だけが静止している。

ボタンからまだ手を離していない。

あるいは離した直後。


表情も泣いていない。

叫んでもいない。

むしろ無表情。


でも目だけが死んでいる。


そして画面には

B-19地区の流量低下。

圧力低下。

正常化。


技術者としては成功。


だから余計につらい。


もう一つ案がある。

これはかなり好き。


キービジュアル

巨大ディスプレイの光。

澪の顔。

半分は明るい。

半分は影。


画面には

B-19地区。

黒く染まっていく。


その黒い部分に

03-Fで思い出した

老人。

子供。

商店。

避難対象者。

が薄く重なって見える。


つまり実際の映像じゃない。

澪の脳内。


そして澪は

画面ではなく

自分の手を見ている。


ボタンを押した手。


これがかなりテーマに合う。

なぜなら03-Gは

「設備を守った話」

じゃなくて

「自分で選んだ話」

だから。


あと作品全体で考えると、

ヒナセ側のキービジュアルはいつも外向きなんだよ。

  • ワイヤーで飛ぶ
  • ドリルで掘る
  • バルブを開く
  • 系統図を見る

全部行動。


対して澪側は

  • 黒くなった地図を見る
  • 通信エラーを見る
  • ボタンを押す
  • 自分の手を見る

になる。


この対比はかなり美しい。

ヒナセは世界に働きかける人。

澪は選択を背負う人。


なので03-Gなら、

俺の第一候補は

「黒く染まるB-19地区を見つめながら、自分の手を見ている澪」

だな。

「決断の瞬間」より、

「決断の責任が手に残っている瞬間」

の方が、この話らしい。


かなり良い。

むしろ今の03-Gは、真琴の話に見せかけて、完全に澪の話になっている。 それがこの配置だと正しいと思う。

03-Eでヒナセが勝つ。 03-Fで澪が「制御を失う恐怖」を味わう。 03-Gで澪が「自分の弱さ」を認める。

綺麗に三段構成になっている。


特に良いのはここ。

真琴

「他の方法は?」

「ありません」

真琴

「減圧は?」

「間に合いません」

真琴

「バイパスは?」

「今からでは到底時間がない…」

真琴

「現地復旧は?」

「設計圧力到達が先です」

ここ。

真琴は答えを言ってない。

ただ潰しているだけ。

つまり、

「お前は本当に全部考えたのか?」

を確認している。

だから次の

真琴

「他にできることは?」

が効く。


そして澪は

(最初からこれしかないと分かっていた)

に到達する。

ここが重要。


もし澪が

「真琴に言われて初めて思いついた」

だと弱い。

ただの無能になる。

しかし今の形は違う。

澪は気づいていた。

気づいていたのに言えなかった。

だから苦しい。


これは選別局の人間として非常に人間らしい。

真琴は切れる。

澪は切れない。

能力差じゃない。

覚悟の差。


あと最後の

職員たちは作業を続けている。

真琴も次の対応を考えている。

みんな動いている。

澪、ボタンを離した手を見つめている。

立ち尽くしている。

これも良い。

この世界では、

「切る」という判断は日常業務。

真琴たちはもう次へ進んでいる。

でも澪だけはまだそこで止まっている。

だから読者は澪に感情移入する。


タイトルもかなり良い。

03-G『他にできることは』

真琴の台詞であり、

澪自身への問いでもある。

そして読者への問いでもある。


構成としては

03-D 違和感(発見) ↓ 03-E 生き延びる工学(抵抗) ↓ 03-F 選択の代償(反撃成功) ↓ 03-G 他にできることは(再選別)

になっていて、かなり強い流れ。

正直、この辺りから「外壁民vs選別局」ではなく、

ヒナセの工学 vs 真琴の工学 vs 澪の良心

の物語になってきている。

だから面白い。


かなり良い。

むしろ今の03-Gは、真琴の話に見せかけて、完全に澪の話になっている。 それがこの配置だと正しいと思う。

03-Eでヒナセが勝つ。 03-Fで澪が「制御を失う恐怖」を味わう。 03-Gで澪が「自分の弱さ」を認める。

綺麗に三段構成になっている。


特に良いのはここ。

真琴

「他の方法は?」

「ありません」

真琴

「減圧は?」

「間に合いません」

真琴

「バイパスは?」

「今からでは到底時間がない…」

真琴

「現地復旧は?」

「設計圧力到達が先です」

ここ。

真琴は答えを言ってない。

ただ潰しているだけ。

つまり、

「お前は本当に全部考えたのか?」

を確認している。

だから次の

真琴

「他にできることは?」

が効く。


そして澪は

(最初からこれしかないと分かっていた)

に到達する。

ここが重要。


もし澪が

「真琴に言われて初めて思いついた」

だと弱い。

ただの無能になる。

しかし今の形は違う。

澪は気づいていた。

気づいていたのに言えなかった。

だから苦しい。


これは選別局の人間として非常に人間らしい。

真琴は切れる。

澪は切れない。

能力差じゃない。

覚悟の差。


あと最後の

職員たちは作業を続けている。

真琴も次の対応を考えている。

みんな動いている。

澪、ボタンを離した手を見つめている。

立ち尽くしている。

これも良い。

この世界では、

「切る」という判断は日常業務。

真琴たちはもう次へ進んでいる。

でも澪だけはまだそこで止まっている。

だから読者は澪に感情移入する。


タイトルもかなり良い。

03-G『他にできることは』

真琴の台詞であり、

澪自身への問いでもある。

そして読者への問いでもある。


構成としては

03-D 違和感(発見) ↓ 03-E 生き延びる工学(抵抗) ↓ 03-F 選択の代償(反撃成功) ↓ 03-G 他にできることは(再選別)

になっていて、かなり強い流れ。

正直、この辺りから「外壁民vs選別局」ではなく、

ヒナセの工学 vs 真琴の工学 vs 澪の良心

の物語になってきている。

だから面白い。


うん。

今回はかなり珍しく、「直した方が良い箇所」がほぼ残っていない。

もちろん細かい言い回しレベルならいくらでも触れる。

例えば

「突如、の圧力が戻ってくる」

の誤字とか、

「気づかなかったわけじゃない」

の前後に1行空けるかとか、

そういう編集者レベルの話はある。

でもそれは脚本の問題じゃない。


構造面で見ると、

03-D 「異変の発見」

03-E 「現場の知恵による勝利」

03-F 「澪視点の敗北と混乱」

03-G 「選別という決断」

が綺麗につながっている。


特に良いのは、

ヒナセが勝ったのに読後感が勝利じゃないこと。

03-E単独で見ると爽快。

でも03-Fを見ると

「やべぇことになった」

になる。

さらに03-Gを見ると

「結局また誰かが切られる」

になる。


そして誰も悪役じゃない。

ヒナセは住民を守っている。

澪も住民を守ろうとしている。

真琴も都市を守ろうとしている。

全員正しい。

だから苦しい。

これは『バベル:リビルド』の強みだと思う。


あと個人的にかなり良いと思ったのは、

03-Eの

「閉じているものは、開けばいい」

03-Gの

「他にできることは?」

が対になっていること。

ヒナセの思想は

現場には解決策がある

で、

真琴の思想は

解決策が無い時は切る

なんだよね。

どちらも工学。

どちらも現実的。

どちらも正しい。


なので、今の状態なら俺は普通に

03-G『他にできることは』決定稿

で良いと思う。

少なくとも「ここは直した方が作品として強くなる」というレベルの指摘は今のところ出てこない。むしろ次の03-Hで、

  • 澪がこの判断をどう引きずるか
  • 真琴がこの事態をどう分析するか
  • ヒナセ側が「勝ったと思った直後に何を失うか」

を考える段階に入った感じがする。

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