そうだと思う。
キャラクターを「性格の集合」として作ると、どうしても類型になる。
優しい、頑固、臆病、責任感が強い――これだけだと属性にすぎない。
でも、
なぜその人だけ、その場面で、その選択をしてしまうのか
まで掘ると、そこに歪みが出る。
たとえば「責任感が強い」では弱い。
自分が背負うことでしか他人を守れないと思っている。だから助けを求められない。
ここまで行くと、その人固有になる。
重要なのは、その歪みがたいてい
長所でもあり、欠点でもある
ことだと思う。
自尊心があるから折れない。
でも自尊心があるから助けを拒む。
人をよく見るから救える。
でも見えてしまうから切り捨てられない。
合理的だから生き残れる。
でも合理性では処理できない相手に執着する。
この矛盾があると、行動に一貫性が出るのに、展開は単調にならない。
だからキャラクター設計では、「この人の性格は?」より、
「この人は何を、損をしてでも捨てられないのか」
を決めた方が強い。
さらに言うなら、その「捨てられないもの」が本人にも完全には自覚されていないと、かなり人間らしくなる。
物語の中で、その歪みを他人や事件によって暴かれていく。
『死亡遊戯で飯を食う。』は、そこをかなり丁寧にやってる作品だと思う。