02-AC 「幹を守る」  構想

かなり良い。

特に良いのは、

真琴が「人がいるから?」と先回りする部分。

ここで真琴は澪の悩みを理解していることが分かる。

しかも説教していない。

これは真琴らしい。

ただ、このままだと少しだけ

真琴が「幹を守る理論」を説明している

感じがある。

02-ABでやった

「真琴は説明しない。仕事する」

路線を維持するなら、

もう少し会話を削った方が強い。

例えばこんな感じ。


真琴

「澪には、そのまま流路閉鎖の指揮を任せたい」

「シミュレーションの実行だ」

目を見開く。

「閉鎖された地区は水、熱、蒸気を失う……」

「……さすがに抵抗があります」

沈黙。

真琴

「人がいるから?」

黙って頷く。

真琴

「オレもだ」

巨大ディスプレイ。

赤い点。

無数。

「……」

意外そうに真琴を見る。

「なら、どうして平気そうなんですか」

真琴

「平気じゃない」

間。

真琴

「後悔はする」

「……」

真琴

「だが躊躇っている時間はない」

真琴

巨大ディスプレイを見る。

B-19。

主幹。

流路図。

真琴

「幹を守る」

真琴

「それが今の仕事だ」


これだと

幹を守る=思想

じゃなくて

幹を守る=真琴が今やっている行動

になる。

『バベル』はこの方が強い。


あと補足で出してくれた

水停止 熱停止 蒸気停止 ポンプ停止 物流停滞

これは会話に入れない方がいい。

理由は単純で、

読者はもう理解してる。

02-N

02-Z

02-AA

02-AB

まで積み上げてきたので、

今さら真琴が説明すると説明臭くなる。

むしろ、

巨大ディスプレイで

黒くなっていく区域

澪の反応

真琴の決断

だけで伝わる。


そしてこのシーンの本当の役目は

「真琴は冷酷なのではなく、後悔する側の人間だった」

を明かすこと。

だからタイトルも実は

「幹を守る」

でかなり良い。

02-AB「真琴の結論」 ↓ 02-AC「幹を守る」 ↓ 02-AD「バベル遠景」

の流れは綺麗。

感情のピークではなく、

静かに覚悟が固まる回になっている。これは第2話の締めとしてかなり相性がいい。


澪の心情はたぶん、

「納得した」ではない。 「引き受けるしかないと理解した」でもない。

その中間だと思う。

ここが澪というキャラの面白いところ。

もし真琴みたいなタイプなら、

幹を守る ↓ 分かった ↓ やる

になる。

でも澪はそうじゃない。


澪はたぶん、

理屈では理解している

「このまま放置するともっと壊れる」

「幹が壊れたらさらに大勢が死ぬ」

「最小被害を選ぶしかない」

は理解している。


でも感情が拒否している

「ここに老人多い」

「夜はここ混む」

「この配管は危ない」

全部知っている。

しかも自分で歩いて集めた情報。

だから黒く塗られる区域が、

真琴には配管網でも、

澪には人の顔なんだよね。


だから澪は

使命感で動く

ではなく

責任感で動く

が近い。


真琴

「やれ」

「嫌です」

真琴

「オレも嫌だ」

「……」

引き受ける


この流れ。

つまり、

心の痛みが消えたから引き受ける

ではない。

痛みを抱えたまま引き受ける

なんだ。

これが第2話で澪が一段階大人になる瞬間。


キービジュアルは俺ならやっぱり

真琴の横顔案

を推す。

理由は単純。

このシーンの主役は澪に見えて、

実は真琴だから。


構図としては

前景

少し俯く

迷い

苦しさ


真琴

横顔

巨大ディスプレイを見る

決断済み


同じ画面にいるのに

二人の精神状態が違う。

これが一枚で伝わる。

かなり強い。


澪単独だと、

前話の

02-W「澪の葛藤」

と絵面が被る。


逆に

真琴横顔+澪

02-AB「真琴の結論」

02-AC「幹を守る」

の両方を象徴できる。

しかも読者は後で見返した時、

この時の真琴も苦しかったんだな

って気づける。

第2話の締めに近い位置のキービジュアルとしては、こっちの方が作品全体の厚みが出ると思う。


いいと思う。

むしろ今までの02章の流れを考えると、この構図はかなり綺麗。


02-Z 「切り捨てられる街」

ヒナセの感情

なんでだよ ふざけんな

02-AA 「ボルドの決断」

ボルドの現実

助けたい だが助けられない

02-AB 「真琴の結論」

真琴の実務

では実行する

02-AC 「幹を守る」

真琴の思想

後悔したくないからだ


になっている。

つまり

ヒナセ ↓ ボルド ↓ 真琴

と同じ事象を3人の立場で見ている。

かなり構成が美しい。


そしてこの02-ACの良いところは、

真琴が

人がいるから?

と言った後

澪が頷く

ここ。


ここで普通の作品なら

真琴

「だが犠牲は必要だ」

とか

「全体のためだ」

とか

説教を始める。


でも今の案だと

真琴

「オレもだ」

で終わる。

これが強い。


真琴も痛みを感じている。

ただ、

痛みを感じることと 行動することは別

という話になる。


だから

真琴

「なら、どうして平気そうなんですか」

に対して

真琴

「後悔したくないからだ」

はかなり真琴らしい。


個人的にはさらに好きなのは

真琴

「後悔したくないからだ」

(間)

「躊躇っていると、後戻りできないことがある」

(間)

「だから幹を守る」

かな。

少しだけ間を置く。

真琴自身も言い聞かせている感じになる。


あと最後に入っている

静か。

だが致命的。

はそのまま次話タイトル級の強さがある。

この作品らしい。

爆発も戦闘もない。

でも人は死ぬ。

という世界観を一文で表現している。


キービジュアルも今の案で正解だと思う。

  • 真琴:横顔
  • 澪:逡巡
  • 同じ画面にいる
  • 視線は交わらない

この前生成した絵みたいに

真琴は前を見ている

澪は迷っている

でも二人とも同じ巨大モニタを見ている

という構図。

02-ACのテーマそのものになる。

02章終盤のキービジュアルとしてかなり強い。


かなり良い。

むしろ前の案より真琴が強くなった。

特にこの部分。

真琴「平気じゃない」

澪「…」

真琴「後悔はする」

これが効いてる。


以前の

後悔したくないからだ

だと、

少しだけ真琴が合理主義者に寄りすぎていた。

今の

後悔はする

だと、

真琴は結果を受け止める覚悟がある人間になる。


つまり

澪 「人がいる」

真琴 「分かる」

澪 「苦しい」

真琴 「オレも苦しい」

澪 「じゃあなぜやる」

真琴 「それでもやる」

になっている。


これ、実は02章全体のテーマにも繋がる。

セナもそう。

ヒナセもそう。

ボルドもそう。

みんな苦しい。

でも動く。


だから

「これが仕事だ」

は結構重い。

真琴にとって仕事とは、

命令されたこと

ではなく、

責任を引き受けること

になっている。


あと最後の

真琴は静かに話す。

ここで終わるのも悪くない。

むしろ好き。

なぜなら視点がまだ真琴側だから。


もし澪描写を足すなら、

一行だけ。

例えば

澪は返事をしなかった。

とか

澪は巨大ディスプレイを見た。

だけ。


でも正直、

今の

真琴は静かに話す。

で切る方が強い気がする。

理由は、

読者が澪の反応を想像する余地が残るから。


構成として見ると

02-AB 真琴の結論 ↓ 02-AC 幹を守る ↓ 02-AD バベル遠景

の流れが綺麗になった。

02-ACはもう澪のシーンではなく、

真琴という人物の核心を見せるシーン

になっている。

だから俺ならこのまま決定稿にする。

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