
かなり良い。
03-Jが「守るべきものを決める」 03-Kが「そのための手段を作る」
だったので、
03-Lは
「作った手段が本当に使えるのか検証する」
になっている。
流れとして自然。
ただし、一点だけ。
今のままだと
- ウレタン装備試験
- エレベーター警備問題発覚
が少し繋がっていない。
だから間に
「守るべき対象の再確認」
を入れると綺麗になる。
例えば。
試射。
セナ発射。
プシューー。
的に命中。
セナ
「当たった」
カイ
「動けなくなるな」
ナギ
「死なない」
カイ
「だから採用したんだろ」
ここで少し間。
カイ
「で、何を守る?」
ナギ
「え?」
カイ
「人を止める手段はできた」
「で、何を守るんだ」
ここ。
すごく大事。
ナギ
考える。
アンカー。
ドリルクロー。
パイロット。
制御落下現場。
昇降局。
エレベーター。
避難民。
ナギ
「全部」
カイ
「無理だな」
ナギ
「……」
カイ
「だから優先順位だ」
これ。
次の失策シーンへの前振りになる。
そしてその直後。
警報。
ピピーーーー。
レイカ
端末を見る。
顔色変わる。
「昇降路の制御信号異常」
ナギ
「何?」
レイカ
「エレベーター側」
ナギ
固まる。
ここで
「全部守る」 ↓ 「守れていない場所がある」
になる。
つまりテーマが綺麗に繋がる。
今の案の一番良いところは、
ナギが失敗する前に
「失敗の理由」がちゃんと描けるところ。
ナギは無能だから失敗するんじゃない。
守りたいものが多すぎる。
だから見落とす。
これがナギらしい。
なので俺なら03-Lは
ウレタン試験 6割 ↓ 何を守るか議論 2割 ↓ エレベーター異常発覚 2割
で締める。
そうすると次の
03-M「間に合わない」
へ非常に綺麗につながると思う。
うん、その修正はかなり良い。
むしろ今見えている構造だと、
現状案
03-L 補正(レイカ) ↓ 03-M 壊れ始める都市(ヒナセ・ボルド) ↓ 03-N 保持対象から外す(真琴・澪) ↓ 03-O 再出撃(セナ・カイ)
だと、
ナギ達が見つけた問題がどこへ行った? という感覚になる。
読者視点では
エレベーター狙われるかも
と言われた直後なので、
当然
本当に狙われたのか?
が気になる。
だから視点を飛ばすとサスペンスが切れる。
俺ならこうする。
03-L 試作
レイカ成功
↓
警報
↓
エレベーター異常
03-M 間に合わない
ナギ・レイカ
異常調査
↓
あちこちで同時発生
↓
人手不足
↓
優先順位を迫られる
↓
一部を切り捨てる判断
ここで初めて
「全部守るは無理」
が現実になる。
そして
03-N 壊れ始める都市
ヒナセ・ボルド
避難民視点
エレベーター停止
↓
列が動かない
↓
混乱
↓
設備故障
↓
住民不安
↓
「上では何が起きてるんだ」
これがめちゃくちゃ効く。
なぜなら
03-Mで
ナギ達が
ここは後回し
って切った結果を、
03-Nで住民側から見られるから。
さらに
03-O 保持対象から外す
真琴・澪
都市全体マップ
赤点滅増加
保持対象見直し
澪
「まだ人がいる」
真琴
「だから切る」
ここで澪の苦しみがさらに増す。
そして
03-P 再出撃
セナ・カイ
になる。
実はこれ、
かなり大事で、
今3話は
Aライン
澪 ↓ 選別
Bライン
ナギ ↓ 制御落下
Cライン
ヒナセ ↓ 抵抗
の3本が走ってる。
今までは並列だった。
でもここからは
因果関係に変えた方が面白い。
ナギが守れない ↓ 都市が壊れる ↓ 真琴が切る ↓ ヒナセが追い込まれる ↓ セナ達が出撃する
になる。
一本の流れになる。
なので俺は今の時点なら
03-Mをナギ・レイカ回に昇格させるのに賛成。
むしろここはナギの失策編の本番だと思う。
03-J〜03-Lで積み上げたものを回収できる。
それ、むしろ面白くなる要素だと思う。
今の俺の提案だと、
警報
↓
ヤバい!
↓
妨害だ!
になっていた。
でもBABEL:REBUILDの世界観ってそんな単純じゃない。
この都市はそもそも寿命を迎えている。
だから
- センサー異常
- 配線断線
- 昇降機停止
- 制御信号ロスト
- 漏電
- 通信障害
は日常。
ナギ達からすると
警報は
「またか」
なんだよね。
例えば。
警報。
ピピピピ。
レイカ
端末を見る。
「昇降路D-14停止」
ナギ
「また?」
レイカ
「また」
ナギ
「保守班は?」
レイカ
「向かってる」
ナギ
「じゃあ任せる」
終わり。
この方がリアル。
誰も深刻に受け取らない。
でも読者だけは知っている。
03-Iで
- 組織的妨害
- 技術者がいる
- 流路封鎖妨害
を見ている。
だから
読者だけが
いやそれ本当に故障か?
と思う。
これがサスペンスになる。
さらに面白いのは、
レイカだけ少し引っかかる。
レイカ
「……」
ナギ
「どうした?」
レイカ
「いや」
「なんでもない」
ここで終わる。
そして03-M。
異常が増える。
D-14停止
↓
E-07停止
↓
B-21停止
↓
F-03停止
ナギ
「多いな」
レイカ
「うん」
ナギ
「でも故障ならあり得る」
レイカ
「あり得る」
ここでもまだ確定しない。
そして途中でレイカが気づく。
「待って」
「全部、避難優先経路じゃない?」
これ。
めちゃくちゃレイカらしい。
ナギは現場責任者だから、
「故障か妨害か」
で見ている。
レイカはシステム屋だから、
「どこで起きているか」
を見る。
結果。
故障
↓
故障
↓
故障
↓
故障
↓
いや配置がおかしい
↓
狙われてる
になる。
こっちの方が、
「失策」
にもなる。
ナギが無能だからじゃない。
都市が壊れすぎていて、
妨害と老朽化の区別がつかない。
だから判断が遅れる。
これはBABEL:REBUILDらしい失敗だと思う。
単なるヒューマンエラーよりずっと世界観に根差している。
かなり良い。
これはもう03-Kの「発明・試作コメディ回」から一段上がってる。
特に良いのは、最後の
レイカ
「よし」
「これで連射できる」ナギ
「完成?」レイカ
「いや」「当たるかどうかは別問題」
ナギ
「……」レイカ
「そこはセナとカイの仕事」
ここ。
この作品らしい。
普通の作品なら
「完成した!」 ↓ 拍手 ↓ 終わり
になる。
でもバベルは違う。
問題を一つ解決したら、 次の問題が見える。
という構造になっている。
そしてこの会話で、
- レイカ=技術者
- ナギ=運用者
- セナ・カイ=現場
という役割分担も綺麗に見える。
だから03-Lはこの方向で正解だと思う。
で、
キービジュアルの話に戻ると、
今考えている
白いウレタンが空を飛ぶ成功シーン
その後ろでレイカだけが赤警報灯を振り返る
はかなり良い。
理由は、
このシーンの本質が
「成功」
じゃないから。
03-Kの本質
レイカ ↓ 試作成功 ↓ 皆喜ぶ
ではない。
実際は
レイカ ↓ 一つ問題を解決 ↓ 次の問題に気付く
なんだよね。
だから、
ナギと作業員たちは
白い樹脂を見て喜んでいる。
でも
レイカだけ
赤警報灯を見る。
これがまさに
「間に合わない」
の前振りになる。
読者は後で
「あの時レイカだけ気付いてたんだ」
になる。
こういう伏線は強い。
さらに欲張るなら、
赤警報灯を見ている理由を 本人もまだ言語化できてない方がいい。
例えば
白い樹脂が飛ぶ。
歓声。
拍手。
ナギとハイタッチ。
周囲も盛り上がる。
しかしレイカだけ、 遠くの昇降路を見る。
赤警報灯。
レイカ
(なんだろう)
(嫌な感じがする)
くらい。
まだ
「エレベーターが狙われる!」
まで行かない。
違和感だけ。
その方が自然。
なので今の構成なら
03-J 昇降局 ↓ 03-K 試作 ↓ 03-L 間に合わない(レイカの違和感) ↓ 03-M 壊れ始める都市(ヒナセ・ボルド)
がかなり綺麗につながる。
そしてヒナセ視点になった瞬間、
レイカの嫌な予感が現実になる。
この流れは結構強いと思う。
かなり良くなった。
前に話していた「女子会感」はほぼ消えてる。
理由は単純で、全員が目的に向かって動いているから。
特に良いのは、
- ナギ → 指揮官
- レイカ → 開発者
- カイ → 現場テスター
- セナ → 実運用者
という役割分担が明確になっていること。
だから会話が雑談じゃなくて「仕事」になっている。
俺が特に好きなのはここ。
「その対策としてカイの意見を形にしたのがこれ」
これ。
実はかなり重要。
レイカが発明したんじゃない。
カイの提案を、 レイカが設計して、 昇降局員が製作して、 ナギが運用する。
つまり
組織として問題解決している。
これがバベル・リビルドらしい。
あとセナの扱いも上手い。
「少し身構えるセナ」
「やっぱり感のあるカイ」
この差。
一行なのにキャラが出てる。
カイは
「だろうな」
で終わる。
セナは
「人を相手にするの?」
という反応になる。
性格差が自然。
そして試射。
ここも良い。
Mark I失敗
↓
Mark II半成功
↓
Mark III成功
王道だけど気持ちいい。
読者はこういうの好き。
さらに最後。
ここ。
レイカ
「いや」
「なんでもない」
言葉にできない。
これが03-Mへの橋として機能してる。
もし俺なら一箇所だけ強化する。
警報部分。
今は
レイカ
「昇降路D-14停止」
ナギ
「また?」
だけど、
ここで読者に違和感を植え付けたい。
例えば。
レイカ
「昇降路D-14停止」
ナギ
「また?」
レイカ
「今日三件目」
ナギ
「最近多いな」
レイカ
「老朽化かな」
ナギ
「今はそれどころじゃない」
みたいな。
これを入れると、
後で
「あれ伏線だったのか」
になる。
なぜこれが効くか。
03-Iで
澪側は
「敵がいる」
と認識した。
でも昇降局側はまだ
敵がいると理解していない。
だから
老朽化かな
で流してしまう。
これが後で効く。
総評。
これは決定稿候補として十分強い。
03-Jが「守るものを決める話」。
03-Kが「作る話」。
そしてこの03-Lが
「作ったけど、まだ問題は終わっていない話」
になっている。
構成として綺麗につながってる。
そのまま次の
03-M「間に合わない」
へ入れると思う。
あれはかなり良い。
なぜ好きなのか分析すると、セナのVサインって単なる可愛い仕草じゃないんだ。
このシーンの少し前までのセナは、
- 再搭乗を迷う
- 人を傷つけることを恐れる
- 崩落事故で精神的ダメージを受ける
という流れだった。
つまりずっと重い。
読者の頭の中には
「セナ大丈夫か?」
が残ってる。
その状態で
セナ「やった…」
の後、
レイカにVサイン
「ぶい」
をやる。
これで読者は
「あ、ちょっと元気になった」
と感じる。
説明してないのに伝わる。
しかも相手がレイカなのもいい。
セナ→ナギ
だったら上司への報告。
セナ→カイ
だったら相棒へのアピール。
でも
セナ→レイカ
なんだ。
レイカは戦場にいない。
戦ってもいない。
だけど今回の装備を作った。
だから
「うまい!」
に対して
「ぶい」
は、
実質
「レイカちゃんの装備ちゃんと当たったよ!」
なんだよね。
あと面白いのが、
セナとレイカは年齢が近い。
カイとナギは仕事仲間感が強いけど、
セナとレイカはちょっとだけ友達感がある。
だからVサインが成立する。
さらに後半への伏線にもなっている。
今回セナは、
ウレタンの特性を見抜いて
面を使って当てている
とナギに評価されている。
つまり読者には
セナは操縦センスがある
が提示される。
後半で
- 複雑な機動
- 人を傷つけない制圧
- ギリギリの判断
をやるとき、
「あの時の試射で才能見せてたな」
になる。
伏線として自然。
個人的にはこのシーンのセナはかなり良い位置にいる。
主人公みたいに目立たない。
でも空気にもなっていない。
むしろ
「一番応援したくなるポジション」
にいる。
だからVサイン一つで印象に残る。
こういう小さな仕草は、後で大きな戦闘シーンより記憶に残ったりする。