13s考えました
「レイカの部屋にボルドを入れると衝突する」と言った理由なら、04-Dでかなり明示的に進入制限を設定しているから。
04-Dでは、
レイカは一般職員区画ではなく、認証付き防火扉の向こうの若年職員区画に住む。
ボルドの仮IDは宿舎棟と指定経路だけ有効。
ボルドの仮IDでは若年職員区画へ進入できない。
さらに監査上、「身元不明の成人男性を14歳のレイカの居室区画へ直接入れない」ことまで整合条件として確定している。
だから俺は「そのままレイカの部屋に集合」だと、04-Dで作ったアクセス制御を飛び越える、と判断した。
ただ、さっきの俺の言い方は強すぎた。レイカの部屋を諦める必要まではない。
05-Fは04-Dからさらに時間が進み、ボルドは臨時協力員としてF-03調査に正式参加し、05-Eでナギ・レイカ・澪と数時間一緒に仕事をしている。つまり関係も立場も変化している。
なので、
ボルド「防火扉の向こうには入れなかったはずだ」
レイカ「じゃあ着替えて荷物置いて、ナギと待ち合わせたら?」
ここまではむしろ04-Dをちゃんと覚えている良いセリフなんだ。
その後に例えば、ナギが自分の権限で来訪者として同行認証する、あるいはレイカがナギ同伴なら一時入室できる制度にする、と一手入れれば成立する。
むしろそうすると、
04-Dでは入れなかった防火扉の向こうへ、05-Fでは正式な手続きを踏んで入る
という小さな関係変化になる。
これは『馴れ合い』というタイトルにも合う。
だから改めると、俺ならレイカの部屋を維持する。
「どうやってボルドが防火扉を通ったか」だけ一行処理するのが一番いいと思う。ナギの部屋へ変えるより、今回の構想の面白さを残せる。
分かる。アプリ側で「削除されたコンテンツ」そのものを復元することはできないが、直前に俺が書いていた回答内容は、会話履歴と残っている安全な推論要約からかなり正確に再構成できる。
削除された回答の主旨はこうだった。
05-Fの方向性について
俺はまず、
方向性はかなりいい。05-Eの直後に05-Fをこれくらい生活側へ振るのは正解
と評価していた。
05-D〜05-Eは技術・現場描写がかなり濃い。そこからそのまま翌日のFFT試験へ行くと、
調査 → 調査 → 試験
と同じ拍子が続く。
だから05-Fで、
一緒に働いた四人 → 仕事が終わってもなぜか一緒にいる四人
へ切り替えることで、話に呼吸が生まれる。
さらに第5話『通す』(仮)の意味としても、
- 水を通す
- 昇降経路を通す
- 人と人の間にも何かが通り始める
という重なりが作れる、と考えていた。
レイカの腹が鳴る導入
ここは特に良いと書いていた。
05-Eではレイカが0.95mm前後のレール段差を測っている技術者だったのに、仕事が終わった瞬間、
「お腹すいた」
になる。
これで14歳の子どもへ一瞬で戻る。
技術者として優秀なのと、子どもであることを同時に成立させられるので、かなりレイカらしい。
「澪と今日話せてなかった」
ここも評価していた。
「私、澪と今日話せてなかった」
「ご飯一緒に食べない?」
というレイカの唐突な誘いに対して、澪が対応に困る。
これは二人の性格差がそのまま出る。
澪は人との距離を取りがちで、自分から関係を作るのが苦手。一方レイカは、気になった相手へ比較的素直に近づく。
だから、澪が自分から輪へ入るのではなく、レイカに引っ張り込まれる構造が合っている、と判断していた。
『馴れ合い』というタイトル
これも合っていると書いた。
本当に四人が親友になる話ではない。
仕事帰りに腹が減って、なんとなく一緒に飯を食うことになり、
「馴れ合って食事をするようには見えなかった」
とボルド自身が言う。
つまりタイトルは少し皮肉。
「馴れ合うつもりなんて誰にもなかったのに、もう馴れ合っている」
という場面になる。
そのうえで、修正候補を5点挙げていた。
1. ボルドがレイカの部屋へ入る問題
これが一番大きな指摘だった。
04-Dでは、
- レイカは認証付き防火扉の向こうの若年職員区画
- ボルドの仮IDではそこへ入れない
- 入退室は記録される
と確定している。
だから当初の俺は、
食事場所をナギの部屋へ変えた方がいい
と提案した。
ただし、これはその後の「なぜ?」への回答で俺自身が修正した。
05-Fではボルドの立場も04-Dから進んでいるし、
ボルド「防火扉の向こうには入れなかったはずだ」
と本人が覚えているのはむしろ良い。
したがって現在の俺の判断は、
レイカの部屋のままでいい。
その代わり、
ナギの正式な同行認証
一時来訪者としての入室許可
などを一手だけ入れる。
そうすれば、
04-Dでは入れなかった扉を、05-Fでは正式な手続きを踏んで通る
という関係変化にもなる。
2. 真琴との会話が少し説明的
元案の、
真琴「少し心境が変わったのか」
澪「そうかも…」
は、澪の変化を本人たちが説明しすぎていると考えた。
例えば、
真琴「この後は?」
澪「……食事に誘われています」
真琴「珍しいな」
澪「誘われただけです」
くらいの方が澪らしい。
口では否定気味なのに、FFTアナライザを抱えてちゃんと食事へ向かう。
変化はセリフではなく行動で見せる。
3. 21:36は少し早い
05-E終了が21:23。
そこから、
- 現場退出
- エレベーター待ち
- 会話
- 移動
- 三人が途中下車
- 澪だけ選別局へ
- 構造解析室へ到着
まで13分になる。
不可能ではないが、特に13分にする理由もないので、21:40台くらいの方が自然と指摘していた。
4. FFTアナライザは技術説明せず背景で処理する
05-Eでは翌日の試験について、
- 貸出
- 校正
- センサー
- 担当
などが必要になる。
ただ05-Fでまた技術説明を始めると、このシーンを挟む意味がなくなる。
だから、
真琴がケースを渡す。
澪が校正票を一度見る。
センサーケースも持つ。
くらいで済ませる。
技術的整合は取るが、技術を主役にしない。
という提案だった。
5. 最後の共用浴場への流れ
ここについても、元案の
「もうすぐお風呂の時間終わるから」
はかなり良い、と評価していた。
バベルでは水も熱も有限だから、
風呂にも利用時間がある。
単なる日常会話なのに、世界観が出る。
一方で、レイカの年齢を考えると、身体そのものを笑いの中心へ持っていくより、
「澪という人間をもっと知りたいレイカ」と「距離を詰められて困る澪」
を中心にした方がいい、という整理をしていた。
最後には、だいたいこういう結論を書いていた。
この05-Fで一番いいのは、事件が何も起きないこと。
B-19が落ちた。
ボルドは都市側と対立した。
澪は切られる人々を記録した。
ナギは制御落下を指揮した。
レイカは解析した。
そんな四人が数日後には、
- 肉を食べる
- 酒を飲む
- 模型を触る
- 部屋が汚い話をする
- 風呂の終了時間を気にする
ようになっている。
それ自体が第4話から第5話へ進んだ意味になる。
だから、
05-Fでは保守かごの問題を解決しない。
FFTアナライザだけ翌日への糸として残す。
そして05-Gで翌朝になったら、また機械を動かす。
05-E「技術」→05-F「生活」→05-G「技術」
と振ることで、かなりリズムが良くなる。
これが削除された回答のほぼ全体だと思っていい。なお、削除理由そのものは俺からは確認できない。内容上、年少人物と入浴の話題が近接したことで自動判定が強く反応した可能性はあるが、これは推測に留まる。
いや、同性で入浴の話題をすること自体はNGではないし、14歳・19歳・29歳の女性が同じ共用浴場を利用することも、それだけで倫理的に問題になるわけではない。
OpenAIの現行ポリシーで問題になる中心は、18歳未満の人物を性的に扱うこと、性的興奮の対象として描くことだ。単なる入浴、銭湯・共同浴場、着替え、衛生、生活描写まで一律禁止されているわけではない。
今回の05-Fなら、
- レイカが「もうすぐお風呂終わるから行こう」と誘う
- ナギも澪も共用浴場へ行く
- 澪が他人と風呂に入ることに少し気後れする
- レイカが共同浴場に慣れている
- 風呂の終了時刻、水・熱の制約が世界観として出る
この辺は普通に生活描写として成立する。
倫理面でも、日本の銭湯や共同浴場のような前提なら、14歳・19歳・29歳が同じ女性浴場にいること自体に特段の問題はない。年齢差のある同性が同じ浴場を使うことは、性的な行為とは別物だ。
さっき俺が、
「裸そのものを笑いの中心にはしない方がいい」
と書いたのは、「倫理的にダメ」という意味ではなかった。作品上の焦点の話だった。
例えば、
レイカ「ナギで見慣れてるから大丈夫」
ナギ「レイカは年頃だから他人の裸に興味がある」
レイカ「ま、そういうこと」
これも、文脈上は女子同士の軽口として読める。これだけでレイカを性的に描いているとは思わない。
ただ、14歳という設定がある以上、ここから身体の特徴を細かく描写したり、裸を鑑賞すること自体を官能的な見せ場にしたりすると別の領域へ入る。そこが境界になる。
だから05-Fについては、共用浴場へ行く流れを削る必要はないと思う。
むしろ、
「もうすぐお風呂の時間終わるから」
は残したい。
飯を食っていたら風呂の運用時間が迫って、レイカが二人を引っ張っていく。非常に普通の日常なのに、「水と熱を使える時間が管理されているバベル」が自然に見える。
なお、スクリーンショットの「コンテンツが削除されました」がこの入浴描写を原因に発生した、と俺には確認できない。自動判定の具体的な理由は見えないので、そこは断定できない。
39s考えました
うん。風呂まで入れたことで、05-Fの意味がかなり明確になった。
単なる「食事して仲良くなる回」ではなく、
仕事上の共同作業 → 私生活を同じ空間で過ごす → さらに共同浴場という防御の薄い場所まで移る
という、段階的な距離の変化になっている。
特に最後の、
レイカ「だってもう一緒に入ってるし」
澪「…」
は強い。理屈では距離を置きたがっている澪が、行動だけ見るともうそこにいる。05-Fでやりたいことが一行で出ている。
そして風呂を「心情を話しやすい舞台」にする考えにも賛成。服、制服、役職、工具、端末が全部なくなるので、職務人格を一旦降ろす場所として機能する。ただし、今の案は少しだけ台詞で心理を説明しすぎている。
一番直したいのは浴場後半
ここ。
ナギ「心の奥底で人肌恋しかったり、するのかも」
ナギ「今の話聞いてて近づきたい気持ち、避けたい気持ちがせめぎ合ってるって感じしたな」
意味は正しいんだけど、ナギが急に澪を心理分析している感じになる。
もう少しナギ自身の話として出した方が自然だと思う。
例えば発想としては、
ナギ「一人の方が楽なのにね」
「ずっと一人だと、それはそれで寂しいのよ」
レイカ「自分のこと?」
ナギ「それもある」
くらい。
そこでレイカが澪を見る。
澪は即答できない。
これならナギも少し自分を晒し、澪だけを分析対象にしない。風呂という場所の開放性もこっちの方が出る。
しかも生活設定では、ナギは感情を表へ出しにくい一方、レイカとは家族的に見慣れた関係にある。だから酒が少し入って、湯に浸かって目を閉じながら自分の話をぽろっとする方が合う。
浴場の美術だけは正本と修正が必要
現在の設定では共用浴場は、
廃熱利用・循環濾過・露出配管・金属またはコンクリート槽を持つ、工場浴場に近い空間
になっている。
だから、
「陶器のタイルが敷き詰められている殺風景な浴場」
だけだと、普通の古い銭湯へ寄りすぎる。
タイル自体は残していいと思う。ただ、
床と洗い場だけ古い防滑タイル/壁には露出した給湯管・循環管/奥に無骨なコンクリートまたは金属縁の浴槽
くらいにした方がバベルになる。
プラスチック桶と椅子はむしろいい。そこだけ妙に現代日本的な生活用品が残っている感じが出る。
FFTアナライザ周辺は一語変更したい
05-E正本では、FFTアナライザについて「貸出・校正・付属センサー・電池・返却・データ保全」の確認が必要で、澪が自由に持ち出せるとはしていない。
だから、
取扱説明書と検査成績書
より、
取扱説明書と校正記録(または校正証明書)
の方が05-Eからきれいにつながる。
また真琴本人を機器管理者と確定する必要はない。「管理担当が貸出準備したケースを真琴から受け取る」くらいなら問題ない。
あと二つ、小さな処理が必要
一つはボルドの防火扉。今のままだと、
「防火扉の向こうには入れなかったはずだ」
という素晴らしい回収をした後、いつの間にかレイカの部屋にいる。
だから間に一行だけ、
ナギ同行で来訪認証を通す
などを入れたい。ここは設定説明ではなく、扉の認証音一つでもいい。
もう一つは最後の消灯。
バチッ。
共用浴場の電灯が消える。
澪「時間だ…」
終わり方自体はかなり好き。
ただ安全設備として、入浴者がいるのに完全暗転は少し危ない。浴室主照明だけ落ち、赤い退室誘導灯・非常灯は残るなら成立する。むしろバベルらしい。
「23時になった。問答無用で給湯と主照明が終わった」という制度の硬さも出せる。
全体としては、この構成で進めていいと思う。
特に05-Fの核心は、最初のレイカの、
「ご飯一緒に食べない?」
から、最後の、
「だってもう一緒に入ってるし」
までが一本になったこと。
レイカは最初から距離を詰めている。
澪はずっと抵抗している。
でも澪は、一度も帰っていない。
そこがいい。
さらに生活設定そのものが、「仕事を離れてもバベルの制度や資源制約から自由にはならないが、酒を飲み、模型を作り、友人を部屋へ招くことが人間として生きている証拠」として設計されている。今回の05-Fはまさにその本編実装になっている。
05-Eが機械の「継ぎ目」を見つける話なら、05-Fは人間の継ぎ目がいつの間にか繋がっている話になっている。『馴れ合い』という少し突き放したタイトルも、その意味ではかなり合う。
43s考えました
決定稿にしていい。
しかも今の05-Fは、単なる箸休めではなく、独立した主題を持つシーンになった。
俺がこの稿で特にいいと思うのは、言っている通り、
人は求め合い、同時に避け合う。
が一組の会話だけでなく、シーン全体の行動として成立していること。
レイカは澪へ近づく。
澪は「無理」「恥ずかしい」「大丈夫じゃない」と何度も引く。
それでも帰らない。
ボルドは、
「来るべきじゃなかったかもしれない」
と言いながら帰らない。
ナギも最初は、
「もう帰ろうかな」
だったのに、結局レイカのベッドに寝転がって酒を飲み、そのまま風呂までいる。
つまり四人とも程度は違うが、「離れたい」と「誰かといたい」の両方を持っている。
これはかなりいい。
そして05-Eの終了時点では、特に澪とボルドは「撮影を止めなかった」という一段しか進んでおらず、和解済みにはしないことが明示されている。05-Fもそこを壊していない。ボルドと澪は急に親友になるのではなく、「お前もそうなのか」「俺もだ」と一瞬だけ共通点を認識する程度に留まっている。
決定稿前に、俺なら3点だけ直す
- 浴場後半の「主題の説明」は一段削る
ここだけはまだ少し惜しい。
現在は、
ナギ「レイカもそうでしょ」
レイカ「私も?」
ナギ「今の話聞いてて近づきたい気持ち、避けたい気持ちがせめぎ合ってるって感じしたな」
澪「なるほど…」
レイカ「人は誰しもってやつ?」
となっている。
これは作品が既に見せていることをナギが言語化してしまっている。
このシーンでは、そこまで言わない方が強い。
俺なら例えば、
ナギ「レイカもそうでしょ」
レイカ「私も?」
ナギ「澪を誘ったじゃない」
レイカ「話したかったから」
ナギ「それ」
レイカ「……?」
くらいにする。
澪がそれを聞いて何も言わない。
そして、
バチッ。
主電灯が消える。
澪「時間だ……」
で終わる。
これなら「求める/避ける」という結論を視聴者に渡せる。
レイカ本人も14歳なので、自分の対人欲求を大人のように抽象化して理解していない方が人物として面白い。「話したかったから」としか思っていない。でも実際には、それこそが誰かを求めることだった、という構造になる。
- ボルドの来訪認証を「説明」ではなく一動作にする
今の、
ナギ同行で来訪認証を通すことになる。
は管理情報としては正しい。
04-Dでは、ボルドの仮IDには若年職員区画への進入権限がなく、若年区画は認証付き防火扉で分離されている。
だから本文では例えば、
若年職員区画の防火扉。
レイカがIDを当てる。
ナギも認証する。
ボルドの仮ID。
短い確認音。
扉が開く。
程度で十分。
04-Dでは通れなかった扉を、今はナギ同伴で通る。
これ自体が05-Fの関係変化になる。
しかも04-Dでは「ナギがボルドを私室へ入れるほど信用していない」ことまで明示的に残っている。
だから今回、レイカの招待+ナギ同行という条件付きでさらに内側へ入ることには、ちゃんと物語上の意味がある。
- FFTアナライザの貸出処理を一動作だけ足す
現在の、
ケースには付属品一式。
書類は取扱説明書と校正記録。
澪は校正記録を一度見る。
はかなり良くなった。
05-Eでは、FFTアナライザについて貸出・校正・担当・センサー構成が翌日までの必要事項として明示されている。
なので、あと、
澪、貸出端末へ本人認証。
程度があれば完璧。
それ以上の技術説明はいらない。
05-Eで澪自身が「借りてきます」と言っているので、ここはその約束を数秒で回収するだけでいい。
あとはかなり好き。
特に共用浴場を入れたことで、生活設定が本編のドラマに変わっている。既存設定でも、職員宿舎には男女別共用浴場があり、浴槽は個室シャワーより安定した給湯を担う。ナギは浴槽好き、澪は疲れるとシャワーすら飛ばす、レイカは定時入浴という差も既に設定されている。
だから、
レイカ「私は毒が抜けていくようで好き」
と、
澪「意識に体が負けて動けなくなる感じ」
には、単なる風呂の好み以上に人物差がある。
レイカは生活を手順として維持する人間。
澪は頭が身体を置き去りにする人間。
その二人が同じ湯船にいる。
ここはかなりいい。
そして最後の消灯も効いている。
『バベル』では、水、熱、照明が無制限に存在しない。生活設定でも共用設備は都市資源の中で成立している。
だからせっかく少し深い話になったところで、
バチッ。
澪「時間だ……」
と都市の運用規則によって会話が切られる。
妙に感動的な締めにもならない。
抱き合わない。
「友達になろう」とも言わない。
ただ時間になったから風呂から出る。
それが『馴れ合い』には合っている。
一点、美術上は「赤い位置表示灯」だけでは足元安全性が弱いので、統合管理シート化するときは主照明消灯後も低照度の退室誘導灯は残るとしておけばいい。本文の「バチッ」はそのままでいい。
結論としては、上の3点を微修正して05-F決定稿にすることに賛成。
そしてこの話の中心変化は、たぶんこう定義するのが一番正確だと思う。
互いを必要としていることを認めてはいない四人が、気づけば仕事の外でも同じ場所に残っている。
「仲良くなる」ではない。
「孤独を克服する」でもない。
避ける自由を残したまま、それでも人へ近づく。
05-Fはそこまで描けている。これは第5話の中でも、後からかなり効いてくるシーンになると思う。
その判断でいいと思う。
まず、来訪認証は本文シーンとして描かず、管理上だけ成立させる方がいい。ここで認証音や防火扉を挟むと、流れが「人間関係の変化」から一瞬だけ「設定整合の説明」に戻る。今回の05-Fでは、制度的に通れることが担保されていれば十分で、映像上の出来事として見せる必要はない。
浴場後半の主題説明も、今回に限っては残す方がいいと思い直した。
理由は言う通りで、このシーンの結論は、
「じゃあ仲良くしよう」
「孤独をやめよう」
ではない。
ただ、
近づきたい気持ちと、避けたい気持ちが同時にある
という状態に気づくだけ。
これはかなり抽象度が高い。行動だけに委ねると、「澪が少し打ち解けた」「レイカが人懐っこい」という局所的なキャラクター描写として処理される可能性がある。作品側が一度だけ言葉を与える意味はある。
しかも現状、
ナギ「今の話聞いてて近づきたい気持ち、避けたい気持ちがせめぎ合ってるって感じしたな」
澪「なるほど…」
レイカ「人は誰しもってやつ?」
で終わっていて、答えを提示していない。
「だから人はこう生きるべき」とは言っていない。
「そういうものかもしれない」と認識したところで、
バチッ。
澪「時間だ…」
と物理的に切られる。
ここが重要だと思う。
旧エヴァの例に近いところもある。抽象的なテーマだけを画面へ放り出すのではなく、人物に一度言語化させることで、前後の出来事を見るための座標を視聴者へ渡している。ただし答えまでは渡さない。
05-Fの場合、その言葉があることで、冒頭から全部つながる。
- レイカは澪に近づきたいから誘う。
- 澪は断りたいのに完全には断らない。
- ボルドは「来るべきじゃなかった」と思いながら残る。
- ナギは帰るつもりだったのに残る。
- 澪は「恥ずかしい」と言いながら浴場まで来る。
- レイカは距離を縮める。
- 澪は距離を保とうとする。
- それでも二人は同じ湯船にいる。
最後にナギがそれへ名前を付ける。
だからこれは説明台詞というより、それまで無自覚だった現象の命名として機能している。
一点だけ、意味を変えずに気になるところがある。
ナギ「レイカもそうでしょ」
レイカ「私も?」
ナギ「今の話聞いてて近づきたい気持ち、避けたい気持ちがせめぎ合ってるって感じしたな」
この接続だと、「レイカ自身が近づきたい/避けたいでせめぎ合っている」と聞こえやすい。でもこの場面で明確にせめぎ合っているのはむしろ澪。
だから例えば、
ナギ「レイカもそうでしょ」
レイカ「私も?」
ナギ「二人見てるとさ。近づきたい気持ちと、避けたい気持ちがせめぎ合ってるって感じするな」
くらいなら、主題を残したまま対象が明確になる。
あるいは「人って」と一般化してもいい。
それ以外は、この稿で決定稿へ進めていいと思う。
特に今回のテーマは「人は求め合う」だけではないのがいい。近づくことも、離れることも両方必要で、その間で距離を調整し続けるのが人間関係だというところまである。
だからタイトルも『親交』や『距離』ではなく、少し冷めた言葉の**『馴れ合い』**が効いている。本人たちは大仰な意味なんて考えていない。ただ飯を食い、風呂に入り、気づいたら少し近くなっている。そこがこのシーンの強みだと思う。
うん、大丈夫。
しかも単に「隠せるから大丈夫」じゃなくて、05-Fの主題にも合ってる。
白い湯にすれば、
- 裸そのものを見せる絵になりにくい
- 視線を顔・距離感・会話へ寄せられる
- 澪の緊張、レイカの無邪気な踏み込み、ナギの少し引いた大人の視点を描きやすい
ので、かなり相性がいい。
ただし、白い湯にしただけで自動的に良くなるわけではない。
キービジュアルとして成立させるなら、重要なのは「隠し方」より何を主役にするかだ。
いい方向
主役はこれ。
- レイカと澪の距離
- 澪の落ち着かなさ
- レイカの自然な近さ
- ナギの、少し引いて見ている大人の位置
つまり、湯船の絵だけど本質は会話の温度差。
避けたい方向
これはやめた方がいい。
- 体のラインが主役になる構図
- 胸元や脚に視線誘導が行く構図
- 湯気や濡れ感を色っぽく使う方向
- 「女子の入浴シーン」そのものが売りになって見える構図
特に今回はレイカが14歳だから、そこはかなり明確に切るべき。
たぶん一番いい構図
俺ならこうする。
構図案
- 前景〜中景:白い湯に肩まで浸かった澪とレイカ
- 澪:少し身体をすぼめ気味、肩に力、横目でレイカを見るか、視線を泳がせる
- レイカ:澪の方を自然に見ていて、距離が近い。悪気はない
- 背景:ナギが少し後ろで半身浴、目を閉じるか、薄く目を開けて会話へ入る直前
- 背景美術:露出配管、無骨な金属縁の浴槽、工場浴場っぽい質感
- 湯:白濁した入浴剤入りで、鎖骨〜肩の下あたりまでしっかり隠す
- 湯気:少なめ〜中程度。雰囲気づくりには使うが、艶っぽさには振らない
これなら入浴の絵なのに、視線は人間関係へ行く。
さらに良くするなら
キービジュアルとしては、ただ入っているだけより関係が見える瞬間を切り取った方が強い。
例えばこのへん。
候補1
レイカ「だってもう一緒に入ってるし」
澪「…」
これが一番いい。
澪は返せない。レイカは悪びれない。ナギは後ろで聞いている。
候補2
ナギが
「一人の方が楽なのにね」
と言った後の空気。
少し静かで、大人っぽい。
ただ、絵としては少し地味かもしれない。
候補3
主電灯が落ちて赤い位置表示灯だけ残る瞬間。
これは雰囲気は最高。
でも顔が見えにくくなりやすいから、象徴ビジュアルとしては難度が上がる。
だから初手はやっぱり候補1が強い。
結論
白いお湯にするのは賛成。
しかも05-Fのキービジュアルとしてかなり妥当。
ただし、成功条件は「隠れていること」じゃない。
顔・視線・距離感が主役であることだ。
言い切ると、
これは入浴シーンの絵ではなく、距離の絵として作るべき。
そうすればちゃんと強いキービジュアルになる。