『バベル:リビルド』
シーン統合管理フォーマット v4.0
世界観統合・映像脚本・連続性管理・AI制作共通仕様
0. 本フォーマットの目的
『バベル:リビルド』では、人物、都市構造、工学、制度、生活、映像、音響、思想が相互に拘束し合う。
本フォーマットは、シーンを単に記録するためのものではない。
以下を同時に行うための正本である。
- シーンの設計
- 完成内容の保存
- 前後シーンとの連続性管理
- キャラクター状態の更新
- 世界設定・技術設定との整合確認
- 映像・音響・美術設計
- AIへの再読込
- 変更履歴の管理
- 将来の脚本、漫画、アニメ、画像生成への再利用
1. 運用原則
原則1 会話は検討、統合管理シートは正本
チャット内の提案、思いつき、比較案は、そのまま確定情報として扱わない。
統合管理シートへ反映された内容を、そのシーンの正本とする。
ただし、シート内でも必ず状態を区別する。
- 確定:以後の制作で前提として扱う
- 暫定:現時点の採用案。変更可能
- 保留:判断材料が不足
- 却下:再採用しない限り使用しない
- 要整合確認:他資料との衝突可能性あり
原則2 シーンは設定説明の場所ではない
設定は説明しない。
設備、作業、会話、音、空気、生活として存在させる。
世界観情報を記載する場合は、次を分ける。
- 制作者が把握する情報
- 視聴者へ開示される情報
- 画面には存在するが説明されない情報
原則3 感情から情報へ進む
基本順序:
見る
↓
感じる
↓
理解する
↓
判断する
↓
行動する
↓
状態が変わる
技術や制度の説明を先行させず、人物の経験を通して理解させる。
原則4 1シーンの中心変化は一つ
原則として、各シーンに置く中心変化は一つ。
- 感情変化
- 関係変化
- 判断変化
- 状況変化
情報開示は原則一つ、最大二つ。
複数人物を扱う場合も、シーン全体の中心軸は一つに絞る。
原則5 現場そのものが世界観
必ず検討する要素:
- 音
- 温度
- 湿度
- 重量
- 振動
- 光
- 汚れ
- 匂い
- 人の密度
- 仮設感
- 設備の劣化
- 都市が現在も動いている痕跡
全項目を毎回盛り込む必要はない。
そのシーンで最も有効な二〜四項目を選ぶ。
原則6 立場の対立と人格の善悪を混同しない
被害者が常に善人とは限らない。
管理者が常に悪人とは限らない。
全員が自分の責任、利害、恐怖、能力の範囲で動く。
『バベル』では、正解同士が衝突する。
原則7 判断は資源制約の中で起きる
人物の判断は、倫理だけでなく次の制約を受ける。
- 時間
- 人員
- 電力
- 水
- 熱
- 昇降能力
- 構造強度
- 救護能力
- 情報精度
- 組織権限
- 信用
- 局票・配給・納税実績
「なぜ最善を選ばなかったか」ではなく、「その場で何が実行可能だったか」を記録する。
原則8 会話も演出である
セリフは情報伝達だけではない。
- 思想
- 関係
- 身分差
- 疲労
- 沈黙
- 誤解
- 演技
- 言えなかったこと
を含む。
完成したセリフは省略せず保存する。
原則9 前後の状態差を残す
シーン開始時と終了時で、何が変化したかを明記する。
変化がない場合、そのシーンが必要か再検討する。
原則10 AIに推測させない
AIへ再読込する際に必要な情報は、シート内へ明示する。
特に以下は省略しない。
- 年齢
- 人物名
- シーン番号
- 時間軸
- 場所
- 装備仕様
- その時点で人物が知っていること
- 確定案と暫定案の区別
- 前シーンから引き継ぐ身体・感情・所持品の状態
2. シーン番号規則
基本形式:
04-C
04:話数C:話内のシーン順
追加シーン:
04-AA04-AB
分割シーン:
04-C104-C2
原則として、既存番号を途中で詰め直さない。
採番変更を行った場合は変更履歴へ記録する。
3. シーン統合管理シート
【シーン番号】00-X
【シーン名】
短く。
出来事ではなく、そのシーンの思想、作用、感情を示す。
3-1. 管理情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 話数 | |
| シーン番号 | |
| シーン名 | |
| 管理状態 | 確定/暫定/保留/要整合確認 |
| 本文状態 | 未着手/構想/草稿/決定稿 |
| 最終更新日 | YYYY-MM-DD |
| 更新版 | v1.0 |
| 前シーン | |
| 次シーン | |
| 関連資料 | キャラクター定義、技術ガイドライン等 |
| 変更責任 | ユーザー確定/AI提案/共同検討 |
正本宣言
このシート内で「確定」と明記された内容を、このシーンの正本とする。
他チャットの内容と矛盾する場合は、更新日の新しい正本を優先する。ただし作品全体の正本資料と衝突する場合は、要整合確認とする。
3-2. シーン概要
一文要約
このシーンで何が起き、誰がどう変わるかを一文で書く。
シーンの役割
- 物語上の役割:
- 話数全体における役割:
- キャラクターアーク上の役割:
- 世界観上の役割:
このシーンが存在しない場合に失われるもの
削除可能性の検査。
3-3. 視点
主視点
感情を追う人物。
副視点
必要な場合のみ。
視点移動
移動位置と理由を記載。
視聴者が知っていること
視点人物が知っていること
視点人物が知らないこと・誤解していること
3-4. 時間・状況
時間軸
- 前シーンからの経過:
- 日時・時間帯:
- 作戦・事件上の位置:
- 同時進行している別シーン:
開始時の状況
終了時の状況
時間制約
期限、残り時間、交代時刻、設備停止予定など。
3-5. 場所・空間
主場所
区画、層、室名、設備名まで具体的に記載。
副場所
視点切替がある場合。
空間構造
- 出入口:
- 高低差:
- 人物の配置:
- 設備の配置:
- 見える範囲:
- 見えない範囲:
- 逃げ道・移動経路:
- 閉鎖/開放状態:
環境状態
- 温度:
- 湿度:
- 光:
- 音:
- 振動:
- 匂い:
- 汚れ:
- 人の密度:
- 稼働中の設備:
- 故障・仮設・補修痕:
3-6. 登場人物・登場物
| 人物 | 年齢 | 所属・立場 | 開始時の状態 | 所持品・装備 | この場面での目的 |
|---|---|---|---|---|---|
非登場だが影響する人物・組織
重要な物品・設備
| 名称 | 所有者・管理者 | 開始時の位置 | 状態 | シーン中の役割 | 終了時の位置 |
|---|---|---|---|---|---|
3-7. 前シーンからの引継ぎ
身体状態
疲労、負傷、睡眠不足、空腹、濡れ、汚れ、酔いなど。
感情状態
人間関係
情報・認識
所持品・衣装
技術・設備状態
未解決の行動
前シーンで開始したが完了していない行為。
4. シーン目的
4-1. 中心変化
開始
終了
A → Bの形式で書く。
4-2. 感情変化
人物別に記載。
人物名
- 開始時:
- 刺激:
- 反応:
- 認識:
- 判断:
- 終了時:
4-3. 関係変化
誰と誰の距離、信頼、警戒、依存、敵意、役割認識がどう変わるか。
4-4. 情報開示
視聴者へ新たに開示する情報
原則一つ、最大二つ。
作中人物だけが得る情報
画面には存在するが説明しない情報
今回は開示しない情報
伏線や誤解の維持。
4-5. 思想・主題
このシーンが示す価値観、矛盾、問い。
答えを説明するのではなく、人物の判断と結果で示す。
4-6. 制約と代償
実行可能な選択肢
選ばなかった選択肢
選べなかった理由
選択の代償
5. シーン構造
5-1. 導入
- 最初に見えるもの:
- 最初に聞こえるもの:
- 最初の人物行動:
- 視聴者が抱く疑問:
5-2. 展開
- 状況の変化:
- 圧力の増加:
- 情報の提示:
- 人物の反応:
5-3. 転換点
人物の認識、判断、関係、状況が変わる瞬間。
5-4. 終結
- 最後の行動:
- 最後のセリフ:
- 最後の音:
- 最後の画:
- 残る感情:
5-5. 次シーン接続
物理的接続
場所、移動、時間、物品。
感情的接続
情報的接続
未解決の問い
6. シーン内容
定義
完成映像として記載する。
読むだけで、人物の配置、行動、表情、音、間、空間の変化が再生できる状態を目指す。
記述ルール
- 短文
- 適切な改行
- 行動を先に書く
- 心理説明に逃げない
- セリフを省略しない
- 音、視線、距離、手の動きを書く
- 抽象的な感情を画面上の事実へ変換する
- 技術説明は操作、計器、失敗、会話へ分散する
- カメラ指示は必要な箇所だけにする
推奨順序
空間
↓
人物配置
↓
行動
↓
反応
↓
セリフ
↓
結果
↓
次の変化
本文
(ここに完成シーンを記載)
7. セリフ管理
7-1. 発話順一覧
発話順を維持して記載。
7-2. 人物別セリフ
人物名
- 「」
- 「」
7-3. 言外の意味
| セリフ | 表向きの意味 | 本音・隠していること | 相手への作用 |
|---|---|---|---|
7-4. 言わなかったこと
沈黙、言い直し、遮り、話題回避を記録。
8. 人物状態更新
シーン終了後の人物状態を、次シーンへ引き継げる形で記録する。
| 人物 | 身体 | 感情 | 認識 | 関係 | 所持品 | 次に取る行動 |
|---|---|---|---|---|---|---|
キャラクター定義への恒久反映候補
このシーンで新たに確定した癖、能力、関係、過去など。
9. 世界観・制度・技術
9-1. 使用する既存設定
出典資料名も記載。
9-2. このシーンで新規に発生した設定
確定候補
暫定設定
9-3. 技術動作
| 技術・設備 | 入力 | 動作 | 出力 | 制約 | 故障時の結果 |
|---|---|---|---|---|---|
9-4. 組織・権限
誰が何を決定できるか。
命令、承認、監視、責任の所在。
9-5. 資源収支
必要な場合のみ。
- 人員:
- 時間:
- 電力:
- 水:
- 熱:
- 資材:
- 昇降能力:
- 医療・救護:
- 局票・配給:
9-6. 整合確認事項
- 物理的に可能か
- 組織権限上可能か
- 時間内に可能か
- 既存設備仕様と矛盾しないか
- 人物の能力範囲内か
- 都市の資源制約を無視していないか
10. 演出設計
10-1. 演出テーマ
このシーンで何を感じさせるか。
10-2. ビジュアルテーマ
一枚の言葉で示す。
10-3. 音響設計
基礎環境音
機械音
人体・生活音
警報・通信
意図的な無音
音の変化
開始時と終了時で、音がどう変化するか。
10-4. 光・色
- 主光源:
- 補助光:
- 色温度:
- 警告色:
- 画面内で最も明るい場所:
- 画面内で最も暗い場所:
10-5. 質感
金属、布、汗、粉塵、結露、錆、油、蒸気、皮膚など。
10-6. 反復モチーフ
前話・前シーンから反復する音、物、構図、台詞、動作。
11. 美術・画面設計
11-1. 空間の主役
11-2. 人物の主役
11-3. 象徴物
11-4. 画面内優先順位
1.
2.
3.
11-5. 基本構図
- 画角:
- アスペクト比:
- カメラ位置:
- カメラ高さ:
- レンズ感:
- 前景:
- 中景:
- 背景:
- 視線誘導:
11-6. キービジュアル候補
一枚で伝える内容
画面上の瞬間
採用理由
シーンカットとの違い
11-7. 避ける画面上の誤解
例:
- 保護室が監獄に見える
- 工具が武器に見える
- レイカが成人女性に見える
- 黒海側の欠損が地上崩落に見える
12. AI画像生成用情報
12-1. 画像の用途
キービジュアル/劇中カット/背景設定/人物設定/アイキャッチ
12-2. 絶対条件
変更されるとシーンの意味が壊れる条件。
12-3. 重要条件
12-4. 補助条件
12-5. 人物参照
| 人物 | 定義ID | 今回の差分 |
|---|---|---|
12-6. 画面上の行動
抽象語ではなく、姿勢、距離、視線、手の位置、物の配置で書く。
12-7. 背景
12-8. 光
12-9. 禁止・破綻回避
画面の意味を壊す項目だけに絞る。
12-10. AI生成用タグ
世界観、人物、工業要素、画風、光源。
タグは補助資料であり、上記の文章指示を優先する。
13. 連続性チェック
13-1. 時系列
- 前シーンから移動可能か
- 経過時間は妥当か
- 同時進行との衝突はないか
- 昼夜、勤務、交代、睡眠時間は一致するか
13-2. 人物
- 年齢
- 呼称
- 口調
- 知識
- 能力
- 感情
- 負傷
- 疲労
- 衣装
- 所持品
- 人間関係
13-3. 空間
- 出入口
- 高低差
- 移動経路
- 視界
- 距離
- 設備配置
- 区画状態
13-4. 技術
- 装備仕様
- 本数
- 回転数
- 荷重
- 電力
- 通信
- 操作手順
- 故障状態
- 修理履歴
13-5. 社会・制度
- 所属
- 権限
- 配給
- 局票
- 納税
- 居住
- 救護優先
- 処分・保護状態
13-6. 映像・音響
- 前後で天候や光が飛んでいないか
- 音響が場所と設備に一致するか
- 同じ構図や象徴が過剰に重複していないか
14. 矛盾・リスク管理
| ID | 種別 | 内容 | 重大度 | 状態 | 対応 |
|---|---|---|---|---|---|
| R-01 | 時系列/人物/技術/制度/演出 | 重大/中/軽微 | 未解決/保留/解決 |
重大
物語、因果、人物、技術設定を破壊する。
中
視聴者が違和感を持つ、後続シーンへ影響する。
軽微
表現や説明の調整で解決可能。
15. 未解決事項
| 論点 | 現在案 | 選択肢 | 決定期限 | 後続への影響 |
|---|---|---|---|---|
未解決事項を本文へ紛れ込ませない。
16. 変更履歴
| 版 | 日付 | 変更内容 | 変更理由 | 確定者 | 影響範囲 |
|---|---|---|---|---|---|
| v1.0 | YYYY-MM-DD | 初版 |
旧案・却下案
必要な場合のみ残す。
再混入を防ぐため、却下理由も記載する。
17. AI再読込用要約
別チャットや別セッションへ渡すための圧縮情報。
必須前提
このシーンの中心
登場人物と現在状態
確定した出来事
前シーンからの引継ぎ
次シーンへ渡す情報
絶対に変更しない条件
未解決事項
参照すべき資料
18. 制作完了チェック
物語
- [ ] シーンの中心変化が一つに絞られている
- [ ] 開始時と終了時で状態が変化している
- [ ] 話数全体の主題に寄与している
- [ ] 削除した場合に失われる役割が明確
人物
- [ ] 視点人物が明確
- [ ] 人物の判断が能力・知識・立場に沿っている
- [ ] セリフが説明だけになっていない
- [ ] 年齢、口調、関係、疲労、負傷が一致
- [ ] 次シーンへ人物状態を引き継げる
世界観・技術
- [ ] 技術は既存仕様と整合
- [ ] 組織権限と責任が整合
- [ ] 資源制約を無視していない
- [ ] 世界観を説明ではなく現場として描いている
- [ ] 新規設定の確定度が明記されている
映像・音響
- [ ] 読むだけで空間と人物配置が分かる
- [ ] 音なしでも大筋が理解できる
- [ ] 音を加えることで場所と心理が深まる
- [ ] 象徴となる一枚を切り出せる
- [ ] 画像生成時の誤解を防ぐ条件がある
管理
- [ ] 前後シーンが指定されている
- [ ] 未解決事項が分離されている
- [ ] 変更履歴が更新されている
- [ ] AI再読込用要約がある
- [ ] 正本と暫定案が混在していない
19. 最小版テンプレート
構想初期は、全項目を埋めなくてよい。
最低限、以下を記載する。
# 00-X『シーン名』
## 管理状態
暫定
## 視点
## 時間・状況
## 場所
## 一文要約
## 中心変化
A
↓
B
## 情報開示
## シーン構造
- 導入:
- 展開:
- 転換:
- 終結:
- 次シーン接続:
## シーン内容
## 前シーンからの引継ぎ
## 終了時の人物状態
## 技術・世界観上の制約
## 未解決事項
構想が固まった段階で完全版へ展開する。
20. 『バベル:リビルド』の核心
守ることは、誰かを傷つけることでもある。
人は制度だけでは動かない。
都市は思想だけでは動かない。
全員が、自分の責任と制約の中で必要だから動く。
その衝突と、その後に残る生活を書く。