
それ、かなり好きだ。
というか02章の終わりとしては、そのくらい静かな方が効く。
今までの流れを整理すると、
- 02-Y 異変に気付く
- 02-Z 切り捨てられる街
- 02-AA ボルドの決断
- 02-AB 真琴の結論
- 02-AC 幹を守る
ここまでずっと人間の感情を描いている。
だから最後まで誰かに喋らせると少し説明過多になる。
むしろ
夕暮れ
↓
夜
↓
巨大なバベル遠景
↓
無数の光
↓
その中でB-19地区だけ暗い
↓
エンディング
の方が余韻が強い。
さらに面白いのは、
読者はまだ真実を知らないこと。
ヒナセは
切られるかもしれない
と思っている。
ボルドも
おそらくそうだ
と思っている。
真琴は
切るしかない
と決断した。
でも読者視点では、
まだ実際に切られた描写はない。
だから
B-19だけ灯りが減っている
という絵は、
事実描写であると同時に
死刑宣告みたいにも見える。
映像的には、
街の光が一つずつ消える演出よりも、
もっと無機質な方が怖い。
例えば
遠景のバベル。
何千、何万という窓明かり。
その中で、
B-19地区だけがぽっかり暗い。
誰も説明しない。
誰も喋らない。
ただ暗い。
そのままスタッフロール。
これ、
実は02章のラストというより、
03章の予告になってる。
読者は
あの暗い場所に残された人たちはどうなるんだ
と思いながら次へ行く。
だから02-ADはドラマを起こすシーンじゃなく、
ドラマの結果を都市そのもので見せるシーンでいいと思う。
むしろここで誰かのモノローグすら入れない方が強い。真琴の独白もヒナセの独白も無し。
ただ巨大なバベルがあって、 その一角だけが静かに死に始めている。
それだけで十分伝わる。
むしろ、そのくらいでいい。
というか、ここで何か説明したら負けだと思う。
02-ADはストーリーを進めるシーンじゃなくて、視聴者に「切り捨てられた」という事実を飲み込ませるシーンだから。
今の流れだと
- 02-Z 切り捨てられる街(住民側)
- 02-AA ボルドの決断(外壁民側)
- 02-AB 真琴の結論(組織側)
- 02-AC 幹を守る(思想側)
ここまでで全部説明し終わってる。
だから02-ADは説明不要。
むしろこんな感じでもいい。
02-AD バベル遠景
時間:夜
静寂。
巨大なバベル全景。
無数の灯り。
住宅区。
工業区。
昇降路。
保守路。
光が続いている。
遠く。
B-19地区。
暗い。
沈黙。
風の音だけ。
さらに引く。
巨大なバベル。
その表面のほんの一点だけが消えている。
ブラックアウト。
これだけ。
もっと言うと、
最後のセリフすら要らない。
ナレーションも要らない。
BGMだけ。
エンディング突入。
なぜ効くかというと、
02-ACで真琴が
「だから、幹を守る」
と言った直後だから。
視聴者は
「理屈は分かった」
状態になっている。
そこで
「結果がこれです」
と見せる。
B-19の灯りが消えている。
それだけ。
そして実はこのシーン、
主役はB-19じゃない。
主役はバベル。
ここで初めて、
視聴者は気付く。
B-19地区
↓
住民数千人
↓
その悲劇
↓
巨大なバベル全体から見たら
光が一つ消えただけ
という残酷さ。
だから画面構成としては
- B-19の暗闇
- 少し引く
- バベル全景
- さらに引く
の順がいい。
最後は
「あまりにも巨大すぎて、B-19がどこか分からない」
くらいまで引いて終わる。
それが『バベル:リビルド』らしい終わり方だと思う。
